生粋のソロ戦士、最高峰への挑戦
「お~い石神、今日も眠そうだけどまだあのゲームやってんの?」
ここはとある都立高校の教室の一角。主人公の石神 焔は同級生の優太といつも通りの会話を交わす。
「やっと理想のキャラが作れたからラスボス戦までぶっ通しでやってたんだよ。ってか、お前はよく朝からそんなに元気でいられんな~…」
俺の今ハマってるゲーム、というのは3年前にリリースされたMMORPGの「空の箱庭」である。ちょうど1年前にゲーム屋で目に入り、それからどっぷりやりこんでしまったのだ。といっても昨日で満足いくまで楽しみ切ってしまったんだが。
「やっぱソロ用で想定されていないゲームをソロ攻略しようとなると色々と大変なんだワ。」
よくそんなにやるわ、とでも言いたそうな目で焔のことを見つめる優太
「って事はまた新しいゲームに手出すんだろ?なんか目星はついてんのか?そろそろ、手出しても良いんじゃねぇか?あのゲーム」
そんな会話をしているとき、教室の前の扉ががらりと開く。担任の平沢 静だ。
「は~いお前ら静かに!ホームルーム始めるぞ~。早速だが、明日から夏休みが始まるわけだ。長い休みで暇だからってお前らハメ外しすぎんなよ~?」
今どきそんなセリフを言う教師など存在したのか。最近の高校生が外でハメを外して問題になることなんてほとんど無くなってきているのに。
というわけて、今日の午後から夏休みが始まるわけだが何もやりたいゲームが思い浮かばない。帰り道にいつものゲーム屋に寄ってみて面白そうなゲーム探すか…
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「やあやあ石神君。やっと空の箱庭が終わったのかい?」
店に入ると店長の楓が焔に声をかける。
「お久しぶりです、楓さん。あのゲームマジで大変だったんすよ!マージでソロプレイヤーに優しくなかったんすよ!!マルチプレイ前提みたいな攻撃繰り出してくるエリアボスだったり、制限時間設けてくるくせにアホみたいな体力あるやつとか!」
いつも通りの感想会を繰り広げていると、自然と次に挑戦するゲームの話題となった。
「石神君にもし次やりたいゲームの目星がついていないなら、ぜひやって欲しいゲームがあるんだ。」
「楓さんが僕にやって欲しいゲーム?もしかしてド畜生な内容のバカゲーじゃないでしょうね?」
楓が石神にゲームを勧めることが珍しいため、いつもと違うことに疑いを持った焔は探りを入れる。
「まさか、そんなゲームは勧めないよ。やって欲しいゲームってのは今世界を虜にしているハイパーステラーの事さ。」
「あ~、ちょうど今日同級生にも同じようなこと言われましたよ。でも、どうして僕なんですか?」
「あのゲームはね、途方もないほどのやりこみ要素・高難易度のワールドボス・出現条件の分からないクエストなど君の好きそうなコンテンツがたくさん発見されつつあるんだ。さらにはリリースされてからまだ1年ほどしかたっていない。どうだい、気になってきただろう?」
確かに俺の好きそうな香りがプンプンする。ちょうどやりたいゲームもなかったし、そこまで推すなら何かもっと理由もあるのだろう。
「そこまで熱意をもって楓さんに勧められたら、やるしかないっすね。ちょうど夏休みで時間も有り余ることだし、いっちょやってみますか!」
「じゃ、毎度あり。今まで一昔前のゲームをプレイしていた石神君はプレイしたら少し驚くかもね?」
このゲーム、ハイパーステラ―は今作から開発されて搭載された新エンジン「Universe」はアバターの操作感を極限まで高め、従来のゲームとは一線を画すほどの技術となっている。その為現実のような身のこなしや、物体の動き方が実装されている。
「俄然楽しみになってきました!しばらくこのゲームに籠りそうなので、また会う時まで体壊さず元気でいてくださいね!」
いつも通りのリップサービスをしたところで帰路につく焔
「お~い、石神君帰っちゃったけど良かったの?雪月」
「っも~!!うるさいよお姉ちゃん!先輩だって急に私出てきたら困るかもじゃん!」
この声の主は楓の妹の雪月である。焔の高校の後輩であり、秘かに思いを寄せている恋する乙女だ。
「そんなに奥手でいいのかな~?ま、お姉さんが口を出すことでもないか。頑張りなよ、恋する乙女ちゃん。」
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帰宅した焔は早々と自室のベッドに横たわり、VR機を装着し仮想世界へログインする。
「さてと、世間では最高峰といわれているみたいですが、お手並み拝見と行きますか!」
これは、生粋のソロプレイヤー焔が世界最高峰のゲームへと挑戦する物語である。
学校などは健全な肉体や精神の育成のために、この時代でも基本的には通学してオフラインで行われています!




