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三人の2020年14月43日ー⑥

 双方気を取り直して、試合は再開。


 ゲーム:1-0

 ポイント:0-0


 一回目のサーブミスはまだポイントに入らないため、ポイントの進展は同じく0-0。


「……今回ちゃんとやってよ?」少し愚痴をこぼした後、高木真津芽は自分の位置に戻るつもりだった。


「あ!じゃあ、真津芽ちゃんはしゃがんでいい?」佐藤ジョシは“おいで”という意味の動きをしながらこう言った。


 “しゃがむ?”


 “うん!テレビで見たことある。味方がサーブする時、前の人はサーブの邪魔をしないようにしゃがむのって。”


 “そう……”


 “あと私……さっきみたいのサーブは、成功率が3割だから。”


 “え?”自分の耳に疑うほどの疑問の声。高木真津芽はますます佐藤ジョシの頭がおかしくないかと考え始めた。


 なんでこの実力でライト君に挑むの?と。


 “大丈夫!何とかなるなる!”


 いや、楽観すぎる……高木真津芽はますます不安になったが、そろそろサーブの時間が足りないため、一旦様子を見ようと決めた。


 ~セカンドサーブ~


 高木真津芽が元の位置につき、しゃがむのを見て、高木灯台も準備し始めた。


 彼は相手の動きを注目し、一回目のサーブを思い出す。


 さっきのサーブコースは、外側だな……まあ、真津姉の実力から考えると、確かに佐藤おばさんが自分で対峙したいだろう。じゃあ……


 高木灯台は少し高木真津芽のほうを見つめる。


 ……外側に隙がある!


 ド、ド。佐藤ジョシは今までの見よう見まねで、サーブのルーティンをしていた。


 特に意味もないが、彼女は一旦高木灯台を見て、次にボールをトスした――


 パカ。弱くてスローリなボール。


 だが――


 ダ。ーー今回のサーブはちゃんとサーブエリアに入った。


「よし!入った!」ボールがサーブエリアに入ったことに佐藤ジョシは高らかな声で言った。


 ただ、高木灯台はそんな嬉しそうな佐藤ジョシを無視して、すぐスムーズな動きでそのボールを打ち返した。


 パン!彼は自分の全身の力で、ボールをうまく狙っていた外側に打ち返した。


 リターンエース!


 ゲーム:1-0

 ポイント:15-0


 高木真津芽は何の反応もできなくて、手も足も出なかった。


 ただ、ボールが横に通っても、彼女は怯えていなくて、怯むこともない。


 むしろ、さっきのボールの着地点を見て、少し考え始めた。


 “ちょっと真津芽ちゃん!さっきのボールはそんなに速くないはずっ――”“ねえジョシちゃん……”高木真津芽の真剣な口調に、佐藤ジョシは自分の手で口を止めた。


 言いたいことを抑えて、聞き返す。


 “……何?”


 “作戦、考えよう。”


 “……わかった。”


 アドバイス言っているみたいだが、佐藤ジョシは嫌がっている様子がなく、逆に心が通じ合っているみたいに、またコソコソと話し始めた。


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