佐藤ジョシの日記帳㉒2020年14月29日ー②
うーん……プロの方なら、練習の邪魔にならないようにしよう!
さすがにあの練習の様子を見て、のこのこと近づくヤツ勇気ありすぎ!
私はそう思って、そーーとこっそり壁の方に行き、持ってるラケットと道具一式を近くのベンチに置いた。
さーて、練習の準備でもしようか!私はこう思いながら、準備運動を開始した――
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佐藤ジョシは壁の近くに行って、ベンチに荷物を置いた後、早速準備運動をしようと思ったが……彼女、壁に行く時、テニスコートの方向に背を向けているため、何も気づいていない。相手に気づかれていたことを……
よって、彼に話しかけられた瞬間、佐藤ジョシは一瞬ビクッと肩が震え、驚かされたのだった。
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「おい!おばさん!」
――?!
私は準備運動をしようと思った瞬間、声をかけられた。
びっくりして振り返ってみたら、さっきサーブの練習をしていた人だ。いつの間にかフェンスの近くに立っている。
私が答えなかっただろう、彼はもう一度話しかけて、「一人でやってる?」と言った。
~佐藤ジョシの日記視点1~
――たぶん目が吊り上げてるからだろう、彼はフェンスを隔てて、こちらを睨んでいるように見えた(フェンスの邪魔もあるかも)。少し距離があるため、声も大きかった。
だから、正直に言って、私は彼に対しての第一印象は、少し怖いとも言える。
しかし、あの時、私は心の中に、これ以上驚いたことがある――
「変声期前の声……」
「……あ?」
~佐藤ジョシの日記視点2~
――そう!彼は170㎝近くの身長なのに、変声期もなっていない……いや、なっているかも?だって、よく考えていたら、あの声は若干思春期の男の子が特有のアヒル声と似ている……
いや、重要なのはそれではない。
私は何が言いたいというと――
「あなた……成人、じゃない?」と私は彼に聞いた。
「……そう、だけど?」彼は迷いながら答えてくれた。
この拙い感じの素直な反応。また、「え、なぜそれを聞く」という目付き……今、私の脳内に爆発的なエフェクトでもかけたかのように、跳躍的な考え方をしている。
この子は……ショタだ!
~佐藤ジョシの日記視点3~
――そう!彼は、ショタだ!
ショタっぽくないショタ!ギャップショタだ!
そして、このことを知った私は、もう何も怖くなかった!
……いや、そう思っただけのつもりだ――
なーんだ!
「――じゃあ、プロ選手じゃないんだ!」
あははははー!あはははははー!この場に笑っているのは……私だけ。
「は・は・は……と・に・か・く!おばさんは一人でテニスを練習してる?###」なぜだろう……彼が笑っているのに、ちゃんと青筋が見えるのは私の目の錯覚?
~佐藤ジョシの日記視点4~
いやあ……あの時の状況、本当三日無料ジムの状況浮かぶわー
「……はい。一人で練習してます……」
~佐藤ジョシの日記視点5~
流石に私でも失言しちゃったってわかっているよ!じゃないとしゅんとしないし……翔太くんのこともあるし……だから、この部分をちゃんと評価してほしい――あ、はい。
もう言い訳をしません。
すみません。
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とある男の子の心境変化
気付いた時:あ……あの人、一人でやってる――誘おうか。コーチも初心者に優しくした方がいいって言ってたし……
会話する時:俺……もしかしてヤバいやつに話しかけちゃった?
今:……このおばさん。なんなん?




