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階段2
グ―リ―コ!
三段、上に上がる。
パイナツプル!
六段上に上がる。
チヨコレイト!
六段、上に上がる。
ジャンケンをして、勝つたびに上がる段数。
どんどん高くなる、視界。
それは、何年振りだろうか。
拙い、子供のゲ―ム。
でも、いくつになっても楽しい。
「あそこまで先に辿り着いた方が、勝ち!」
嬉しそうに友達が指差した先は、次の階段の踊り場。
私は、勝者を祝福するかのように輝く日の光を見つめながら、手を前に差し出した。
「負けないから!」
それは幼い遊びだけど、とても楽しい遊び。
二人で合わせて、声を出す。
最初はグ―、ジャンケンポン!
放課後の赤い校舎に、明るい声が響き渡った。