表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/11

白昼夢


まるで夢をみていた。まるっきり、僕は夢に浸かっていた。

それほど心地のいいことはなくて、ゆらゆらちゃぷちゃぷと浸かって浸って僕の全てに夢が滲み、僕という存在が緩められていく。

どこかうつろではっきりとせず、判然としなくなる僕の意識。


「君は、それでいいの」


溶けかけた指でさし、問う。問われた少女は僕を見て、涙を頬の上にころころと滑らせながら笑った。

悲しそうに、ではない。

小さく口をすぼませる、少し横に開く、また少し上下が開く、真横に広がり、もう一度真横、最期にまた小さく口がすぼんだ。

何を言っているのかは、水中かのようにぼやぼやとしてわからない。

それでも、なんとなくわかった。


「本当に?」


首をかしげると、縦に頷き返された。彼女はこれでいいらしい。

あんなに泣いてはいるけれど、この結果に後悔はないようだ。

ぱたぱたと彼女の涙が足元を濡らしていくのをみて、まるで雨みたいだと思った。

もしかしたら雨は神様がないているのかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ