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「まずは貴族街で買い物をしようと思うのですが、
いいですか?」
ウィル様の提案に頷く。
「何か欲しい物があるのですか?」
そう言うと、またウィル様が驚いた顔をした、
そんなに驚く事を言っただろうか?
首を傾げていると。
「フェリシア様は雑貨店などがお好きなのですが、
行ってもよろしいですか?」
別に断りを入れなくても、ウィル様の
行きたい所でいいのに、優しい人だなと思いながら同意する。
「ぜひ、お願いします」
そう言うと、御者に指示をして、
貴族街に向かって行った。
貴族街でウィル様に案内された店に入る、
うさぎのぬいぐるみとか、お人形とか、
宝石が付いた小物入れとか、とにかく可愛い物ばかり、
ただ、実用性があまりなく、可愛いとは思うが、
正直欲しいとは思わない。
ただ、やはり女の子なので、可愛い物は見ているだけで、
うきうきする、
自分一人なら、入らなかったかもしれない店なので、
デートで来れて良かったなと思いながら、
店をゆっくりと見て回る。
すると、ウィル様が
「楽しくないですか?」
と心配そうに聞いてきた。
私は首を傾げながら、
「凄く楽しいですよ、可愛い物がいっぱいですね」
笑顔でそう返すも、どうも戸惑っているようだった。
ウィル様の反応が少し気になりつつも、
店で商品を眺める事を楽しんだ。