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デート当日、ウィル様と会ってから
3週間が経っていた。
けっこう日が開いているが、オーダーでドレスを
仕立てた事を考えると、仕方がないかなと思う。
贈られてきたドレスは、黄色を基調をし、
レースがふんだんに使われた、いわゆるフリフリドレス。
腰の所から、ふんわりと広がりを見せ、
大きなリボンで結ばれている。
私が着るドレスは、ストンとしたシンプルな物が多いので、
自分では決してセレクトしないドレスに戸惑いつつ、
別人になるんだからと言い聞かせる。
ドレスを着て、鬘を被る。
私はピンクでストレートの髪だが、
王太子妃になる女性は黄色でウエーブがかかっている。
他にネックレス、靴も一緒に贈られおり、
それらを身に付ける。
最後に、錠剤の薬を飲んで、目の色を変えた。
そうして、鏡に映った私を見て、
自分でも、王太子妃になる女性にあまりにそっくりで、
びっくりしてしまう。
「本当に別人みたい」
思わずつぶやいてしまう。
周りから、良く似てるとは言われたけど、
本当にそっくりなのね~
これなら、ウィル様も満足してくれるだろうと、
安心する。
今日一日の事だし、別人になりきって、
デートを楽しもう!