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「マスター、お呼びだと聞いたのですが」



ロマネに指定された場所へ行くと、

マスター自ら接待をしていたらしく、

1人の男性と2人でソファーに座っていた。



「待っていましたよ、どうぞお掛け下さい」



マスターに言われて、戸惑う。


私はウエートレスで接待係ではない、

そんな事はマスターにとっては分かり切って

いるはずなのに・・・・


私は混乱したまま席についた。


そして、初めて、マスターが接待していた

男性を見る。


髪は銀色で、長めの髪を肩ぐらいで括っている、

表情は穏やかで優しく、性格のおおらかさが、

にじみ出ているかのような、安心感がある。


それでいて、この高級感溢れるサロンに、

馴染んでいて、高位者である事を如実に語っていた。


細身の長身でありながら、服を着ていても、

体が引き締まっている事は感じられ、スキがない。


うっっわ~ かっこいい~

クラスティーナ王国には、美男美女が多いって

言うけど、断トツの美形だわ~


あまりにも整った顔立ちに、つい観察してしまい、

その事にはっと気づき、笑顔で挨拶する事でごまかす。



「彼女です、どうですか?」



いきなりのマスターの話に、まったく内容が掴めないが、

そこは笑顔で話しの続きを待つ。


上顧客なら、何としても機嫌を損ねる事は避けたいし、

このサロンの品位を落とす訳にはいかない。


そんな事を考えていると、男性は大きくうなずいた。



「分かりました、お願いしてみます」



そう言うと、マスターは席を立ちあがり、



「では、後は二人で」



男性と2人きりにされてしまった。

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