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1-1 1度目の身代わり

クラスティーナ王国



大陸の3分の1を占める、広大な領地を持ち、

温暖な気候の為、農作物や果実が良く育ち、

他国からも羨ましがられる程の隆盛を誇っている。


国には女神クラスティーナによって、

大きな結界が張られ、他国からの侵入を防ぎ、

平和を謳歌していた。



そんな、クラスティーナ王国の高級酒場に、

1人の女性がウエートレスとして働いている、


酒場と言っても、大騒ぎをする大衆酒場ではなく、

サロンと言われる、貴族専用の酒場である。



この国では、貴族は男爵、子爵、伯爵、侯爵、公爵

に分けられ。

男爵は医者や特殊な職業に就く人、王家の側近など、

子爵は大きな商いをしている商人、

伯爵は大きな領地を持つ者、侯爵は王家の親戚、

公爵は国を守る結界を強化できる程の魔力を持つ者

に分けられていた。



私、スティナ・クイーンズベリーは

田舎の領地での生活に退屈していたので、

都会の王都に出てきた。


身分は伯爵家、大きな領地を持つ家に生まれた、

生粋の貴族。


伯爵家ともなれば、当然裕福で働かなくても

十分に暮らしていける余裕はある、


しかし、一部の女性の間では、

家庭教師や貴族専門の店など、

一部の限られた所で働く事は、

有能な証であり、出会いの場ともされていた。


それに、王都には美味しいもの、楽しい物が沢山あり、

刺激に溢れている、


特に美術展や観劇など、

田舎ではなかなか体験できない事が、

王都では存分に楽しめるので充実した日々を送っていた。



仕事は遊びのお金ぐらいは稼ごうと働いている、

サロンだと、美人で機転が利く娘として、

評価も上がるので、親も反対はしなかった。



仕事は夕方5時から夜中2時までの夜の仕事、

7時、8時の忙しい時間が過ぎ、

ゆったりとした時間が流れだした頃、声をかけられた。



「スティナさん、マスターがお呼びよ~」


「マスターが?」



同じサロンに働く女性でも、色気たっぷりのロマネに、

話しかけられる。


ロマネはウエートレスではなく、接待を受け持つ女性、

豊満な体に、スキを見せて男性に近づく姿は、

一部では悪く言う者もいるが、男性をご機嫌にさせる、

その話術とそれを支える確かな教養に、スティナは、

同じ女性として、真似ができない魅力を感じていた。


ロマネに指定された場所に向かう。


サロンは全体的に赤を基調に統一され、

所々に金の装飾が施されいる。


ゆったりとしたソファーは、言わずと知れた極上品で、

王宮にあってもおかしくない程の品だ。


壁には、風景画が飾られ、大人な雰囲気を演出していた。

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