第一章6 『騎士団について』
騎士団がいる訓練所へ向かう。
いつも通り、ウォルターには店番を任せ
エレナには人力車を引いてもらう。
この街には皇族はいない。
だから、王を守る騎士団みたいなものもいない。
あるのはこの街を守る騎士団のみ
騎士団は魔獣が来た時のために、訓練している。
訓練以外はこの街の見回りなどして、治安維持に勤めている。
案内人も騎士団に入ればいいじゃないか!
って思う人もいるかもしれない。
俺もそう思い、騎士団の入団試験を受けたことがある。
うん。死んだ。本当の意味で死んだ。
剣と盾を持ち、対人戦試験を受けた時
思うか動けなくて、相手に滅多刺しにされた。
エレナも入団試験を受けており、楽々通過していたが俺について来てくれた。
『あんた1人だったら、毎日餓死するでしょ』
とのことだった。
これを異世界の言葉で言うとヒモというのかもしれない。悪くない。
そんなことを考えていると、人力車を引いているエレナに睨まれる
こいつは俺の思考を止めるんじゃないかってたまに思う。
「あれ、エレナさんじゃないですか」
訓練所の近くで、騎士団の服を着た男に声をかけられる。
顔が整っていて、素敵な笑顔をした明るい茶髪の青年だった。
「ああ、ラグナくんもいるのか。その隣の人は・・・」
ケイを見て、何かを悟った。
どうやら頭の回転も速いようだ。
ちなみに俺が試験で殺された相手はこの男だ。
「ギル、久しぶりだな。案内を頼めるか?」
俺はこの男が苦手だ。
「もちろんだとも!ついてきてくれ。」
いい奴だからだ。