第一章3 『情報屋と貴族』
ウォレスを助けることを決め、協力者を仰ぐことににした
情報屋だ。
情報屋の名前はノキという女性だ。
話はわかる人なので、俺は嫌いじゃないが少し人を見下したところが
あるため、エレナは嫌っている。
「やぁやぁ、ラグナくん。今回はどういった情報がほしい?」
ノキは待ってたと言わんばかりの顔をしていた。
「ウォレスという名前の執事見習いが働いていた場所のことだけど」
ノキの口角が上がる。
「君がかくまっているのかい?その情報は高く売れるだろうね。」
ノキはウォレスの情報を別の誰かに売る気だ。
売られたくなかったら、口止め料を寄越せとでも言いたいのだろう。
「それはともかく、ウォレスが働いていた屋敷の執事と貴族についての情報は持っているか?」
口止め料を払うかどうかはその後で決める。
「ああ、持っているとも。あの屋敷で働いていた執事はウォレスくん含めて四人だ。
屋敷に住み込みで働いている。ウォレスくんともう一人が消え今は二人かな」
もう一人が消えただと?
そいつも冤罪をかけられ逃げたのか?それとも、ウォレスを騙した張本人か
「そのもう一人がどこにいるか知っているか?」
「いーや、知らないね。でも、二人が消えてから、あそこで働く執事長の金払いが良くなったという噂だよ」
執事長が関わっているのか、そこまでわかれば
他の誰にもできない俺のやり方ならすぐ口を割らせることができるだろう。
情報量として金を払った。
「口止め料は払わなくてもいいのかい?」
ノキは忘れ物を教えてくれるような口調で言ってくれる。
「仕方ねぇな。」
少しの小銭を渡し、不満そうな顔をしたノキだったが
1日だけ黙ってていてくれる約束をした
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屋敷に到着した。
ウォレスの能力により、俺とエレナの体を小さくしてもらい屋敷に忍び込んだ。
ウォレスには、1時間後に体を元に戻すよう指示をした。
体が小さくなった分、走る距離が増え俺の足の遅さじゃ1時間で目的の場所に辿りつけない。
「だからと言っても、これは流石に恥ずかしいんだけど!」
俺はエレナにお姫様抱っこされながら運ばれていた。
「仕方ないじゃない。誰からも見られてないからいいでしょ。」
エレナが走っている時にネズミに遭遇する。
俺たちはネズミより小さくなっているため普通だと脅威だが
エレナは襲ってきたネズミを蹴っ飛ばし難なく突破する。
執事室に到着する。
執事長と雇い主であろう貴族が話していた。
「盗人執事の一人には逃げられたが、もう一人は捕まえることができて今拷問してるよ」
貴族が執事長に話しかけている
もう一人とはウォレスの先輩執事のことか。
「執事長のせいにしていたが、何か知っているか?」
貴族も執事長を少し疑っているのか?
「存じ上げません、人のせいにするとは見苦しいですね。」
こいつ、とぼけやがって腹が立ってきた。
エレナがもう少しで1時間立つことを知らせてくる。
エレナは貴族の後ろに位置づいた。
俺も執事長の後ろに配置する、踏まれないようにだけ気をつけて。
1時間経ち、体が元に戻る。
貴族は驚き声を出そうとするが、エレナが取り押さえる。
傷つけると後が面倒くさいから、腕と口を抑えてもらっている。
執事長には逃げられないように足を切る。
「うっーー!」
執事長は跪き、叫び声を出そうとしたから口を押さえた。
「盗人はお前だな。」
俺は執事長にの首にナイフを当てる。
叫ぶとこのナイフで殺すことを教える
「何を証拠にそんなことを言うのです。」
執事長はシラを切る。
ナイフでの脅しはこの世界ではあまり意味を持たない。
死んでも生き返るためである。
「あ?俺が誰か知っていてその発言をしているのか?」
貴族は口をひらく
「お前はまさか、”案内人”の・・・」
この世界に案内人は一人しかいない、もう少し顔も知られていると思ったが
すぐに気付かれなかったことを考えると、あまり俺は有名じゃないのかもしれない。
「”案内人”に殺されると、殺された者は二度と生き返らないというあの・・・」
執事長が言う。俺を知らなくても案内人は知っているのか
少し安心した。
「さぁ、答えろ。お前が盗人だな。盗んだものをどこに置いているのか言え」
さっきとは違い、執事長は青ざめる。
「私ではない。私が盗んだのではない。」
まあ、ここで死のうが答えて生きようがこいつに未来はないが
少しでもシラを切れるか見ているのだろう
「10秒数える。気に入らない答えなら殺す。黙っていても殺す。」
ここで死ぬか、罪を告白して生きる道があるかを考えさせようか
「10、9、8」
「わかった。認める。私が盗んだ。盗んだものはーー」
盗んだものがどこにあるのかを告白し、それが本当にあるか
貴族に確認させた。
「ありがとう。お前たちのおかげで盗まれたものが返ってきたよ。」
貴族は俺たちに感謝の言葉を伝えた。
「ああ。気にしなくてもいいがウォレスに慰謝料をよこせ」
俺の要求に素直に答え、貴族は大金を渡してきた。
その帰り道
「あんたがウォレスのためにお金をもらうなんて珍しいね。」
エレナが感心したようにいう。
「は?これはウォレスからの依頼金だろうが
これでしばらく運び屋稼業は安泰だーーー!」
エレナに後頭部を叩かれ意識を失った。