心の年齢
「そうかい。本当は、桜に事故が起きた瞬間、おばあちゃんは見ていたんだよ。
桜には、まだやるべき仕事が地上に残っている。だから、霊界のおばあちゃんよりも上の世界の天使さんたちに、桜の肉体をまだ使えるように、何とかできないか、お祈りしたんだ。
天使さんたちは、一生懸命働いてくださってね。
病院のお医者さんや看護師さんたちに、たくさんインスピレーションを送って、桜の肉体は植物人間の状態で、病院に留まらせて貰えたんだ。
天使さんたちの姿を見て、おばあちゃんも何か出来ることはないかなと思って、考えてたんだ。
そしたら、桜の守護霊さんに会ったんだよ。
桜が使命を果たせるよう、地上にさまよっていた桜の魂を霊界に案内してくれって頼まれたんだ。
おばあちゃんは、ただ桜に会いたかったから、嬉しいんだよ。
こういうお役目をいただいて、とっても幸せだよ。」
おばあちゃんが、キラキラ輝いていた。
心から桜を愛しいと思ってくれていて、そのあたたかい気持ちが、波動が、桜の心に伝わってきた。
桜の心は、あったかくなった。
感動して、涙が出た。
「おばあちゃん、私も嬉しい。
おばあちゃんがこっちの世界に来て、何を見てきたのか、私も知りたい。」
「おばあちゃんは、こっちの世界ではまだまだひよっこなんだ。
地上では年老いて、亡くなったけど、それは新しい誕生日なんだ。
魂が霊界に還ってきて、霊界で、新しく学び始めるんだ。魂の本当の真実をね。
霊界は、すっごく広くて、きっと、何万年かかっても知ることの出来ない、広い広い世界なんだよ。だから、桜には、おばあちゃんが見たこと学んだことだけ、霊界の一部しか伝えられないけど、思い残すことなく、伝えるよ。」
桜は、びっくりした。
おばあちゃんの顔が、桜よりも若くなっていた。
「おばあちゃん...??」
「あらら、こういうことも、霊界の不思議でね。
人の魂は、本当は、自由自在にあらゆる姿を表現できるんだ。
神様の創造性が、私たち魂にも備わっているんだ。
おばあちゃんは、今こっちの世界ではひよっこ、そういう意識でいるから、魂が表現する姿が、ひよっこ、桜よりも若い気持ちなんだ。」
今の姿は、おばあちゃんは、桜よりも幼い。




