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  作者: KASA
5/10

引導

泣いて泣いて気持ちが落ち着いてきた。

桜は、おばあちゃんの顔を見上げた。

「おばあちゃん、私のことを、見ていてくれてたの??」


「そうよ。あの世に還ったら、あの世の生活が始まるのだけれど、還ってすぐはやっぱり地上のことが気になってね。

桜達のことを、見ていたのよ。

でも、あんまりこの世に執着するのもよくないみたいで、ここ最近はあの世での生活、勉強に集中していたのよ。」


「あの世の生活?勉強?」

桜のイメージでは、あの世というのは、お花畑の中に幸せそうに暮らしている人たちのイメージだった。


「ふふ。そうよね、お花畑はあるわよ。この世のものとは全然違うの、一年中咲いているし、一年という単位はこの世だけの尺度だけれどね。お花の妖精がお花を一生懸命咲かせていて、お喋りできるんだよ。」



「お花の妖精?本当にいるの?」


「ああ、いるとも。霊界は広〜い世界なんだよ。なんだっているんだよ。」


桜は、おばあちゃんの話を聞きながら、だんだん悲しい気持ちが薄れてきた。

そして、霊界を見てみたいというワクワクする気持ちが出てきた。


「おばあちゃん、私、行ってみたい。私もおばあちゃんと一緒に連れてって。」


おばあちゃんは、桜を見て微笑んだ。

「桜の元々生活していた世界さ。

この世に生きている人も、みんな、同じさ。私たちは、霊界で生活していたんだよ。

さぁ、一緒に元いた世界に還ろう。

きっと懐かしい筈だよ。」


おばあちゃんは、桜の手をひいて、目を瞑った。

何かを念じているらしい、程なくして、大きな光があらわれた。

その光は大きく大きくなり、桜とおばあちゃんを包み込んだ。


光の中に包み込まれた桜は、眩しい光でしばらく目が開けられなかった。


あたたかい心地の良い時間だった。


「桜、目を開けてごらん。」


おばあちゃんの声がする。

桜は、声の通り、目を開けてみた。

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