六大煩悩
「執着?」
桜にはまだあんまり意味が分からなかった。
「執着っていうのは厄介でね、これがないと自分は存在できないって、勝手に決めてるんだ。
手離せば、心が自由になるのに手離せないんだね。
貪るように欲しがる心、これは足ることを知らない欲望とも言えるね。
怒りの心、誰かに対して好き嫌いが激しく出てくる感情もこの心だね。
愚かな心、みすみす間違った道に逸れていって、周りの人に迷惑をかけるようになる心。
慢心する心、井の中の蛙のように、神仏の心を知らずに、人と比べ、人を見下し、出来上がってしまう心。
疑いの心、神仏も人も疑ってかかって、自分も疑うことになる心。
悪い見方をする心、物事に対する見方がひん曲がっている。必ず周りとの不調和を生み出す。
この6つの心が、執着をつくるのさ。
悩みをつくる原因なんだ。
この執着さえ手離せたら、人は天国にいた時と同じ心に戻るのさ。
地獄と言われる世界に住んでいる悪霊も、この心に支配されてしまって、自分の心をコントロール出来なくなってしまったんだ。
天国は、魂が自由な世界なんだよ。
思えば何だって実現する世界だから、コントロールが重要なんだ。




