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一寸先は闇

『明日、放課後会おう!』

 川越と亜矢子が付き合う事になった日の夜、亜矢子の元に川越からメールが届いた。自宅の自室で亜矢子は、思わず顔を綻ばせる。

『うん! 会いたい!』

 亜矢子は、少し照れ臭く思いながら返信した。ずっと一方的に好意を寄せていた相手と、今間違いなく自分が付き合っている。そう思うと、またどうしても口元が緩んだ。

『やった、じゃあ会おう! 明日、放課後四組来てくれる?』

 川越は四組であり、亜矢子は八組だった。もしも二人が同じクラスだったならば、あるいはこの時点で人違いに気がつくことができていたかもしれない。亜矢子は、これを了承した。


 ***


『やばい!! 本当にあり得ない事しちゃった! やばすぎる!!』

 ――加藤から全てを聞いた綾子は、眉間に皺を寄せた。加藤に対する嫌悪感は心の底から無限に湧き出る様に感じられ、綾子は加藤を心底罵倒した。

『じゃあ、川越くんは私だと勘違いして安田って人と付き合ってるの?』

 綾子は尋ねた。

『……うん。ごめん、本当にごめん!! 川越くんには私がちゃんと説明しておくから!』

 しかし加藤は、川越に対して本当に申し訳なく思う反面、綾子に対しては少なからず良い気分を味わっていた。自分が片想いをしている相手が、よりにもよってあの綾子と付き合って欲しくは無いというのが、加藤の心情である。

 だから今は綾子よりも、一体川越にどう説明すれば良いのか。何度もメールに文章を打ち込んでみては、それを消す。そんな事を何回も何十回も、加藤は延々と繰り返した。

 しかし、それから更に時間を置いて、綾子からメールが届く。

『いや、大丈夫。川越くんには私が説明しておくから、何も言わないで』

 加藤は言い様の無い、小さな不安を胸に抱いた。


 ***


 そして、翌日の放課後。亜矢子は心地良い緊張感を抱きながら、二年四組に足を運んだ。

本当にやる気が出るし、それより何より、とにかく嬉しい。

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