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異形者  作者: 只野直人
1/6

プロローグ

異形

普通とは違う怪しい形、姿をしていること

また、そのさま 「異形の者」


見た目重視の人ならざる者が色々と出てくる色物小説です

目の前に真っ白な世界が広がっていた


ここは一体どこだろう


疑問に対しての答えを見つける前に、遅れてやってきた全身の倦怠感と酷い頭痛が思考の邪魔をする

横に寝ている身体を起こそうと動いてみるが、電池の切れかかったロボットのように思い通りに動かない

それでも無理に起き上がろうとして寝返りを打つように動くと次の瞬間、身体は浮遊感に包まれる

倦怠感と頭痛のせいで体調の悪い今の僕には心地よささえ感じる感覚だったが、それはすぐに終わり、今度は頭を鈍器で殴られたような強い衝撃が襲ってきた


ギィンッ!


なぜか金属と金属がぶつかり合うような鈍い音が頭の中に響き渡った

手放してしまいそうになる意識を必死に繋ぎとめて隣に目を向けると、どうやら病院等で使われるストレッチャーの上に居たらしく、そこから落ちて頭を強打したようだ


様々な疑問が浮かび上がり薄れ行く意識の中、近くに複数人の気配感じ、僕に対して声が掛けられていることに気づいた


白附 優斗


そうだ、僕の名前だ

段々と思い出されていく記憶に引き寄せられるように、僕は再び意識を手放した



二十六才、独身の高校教員

国語の科目を受けもち、妹であり教え子でもある白附 楓と二人で一軒家に暮らしをしている


両親は三年前に交通事故で他界

原因は相手側の飲酒運転、正面衝突で即死だったそうだ

僕はその時は一人暮らしを、楓は友達の家に泊まりに行っており無事だった

そして残された楓は親戚の元へ預けられる予定だったが、本人の希望で一人暮らしをしていた僕が実家に帰る形となる

両親だけでなく学校の友達にも会えなくなり楓が一人になると思うと、とてもじゃないが断る事なんてできなかった

一緒に暮らし始めて久しぶりに会う楓は最初こそ元気もなく余所余所しささえあったが、すぐに昔の頃の楓に戻っていき、今ではヘラヘラしている僕が情けないと言って説教するくらいの元気を見せ付けてくれた

これでやっと立ち直って前に進んでいける


そう思っていた矢先、それは起きた

学校での業務を終えて歩いて帰る途中、何度も目にしているいつもとなにも変わらない帰り道

青から黄色へ色を変える信号が注意を呼びかけるも、気にも留めない大型のトラックが加速しながら交差点に進入しようとしていた

危ないな、と運転席目掛けて軽く睨んでいた僕の横を、近くの中学校の制服を着た女子生徒が通り過ぎていった

その女子生徒は暗い顔で手元の単語帳に目を向け暗記に励んでいる

集中しているせいで全く周りを見ておらず、そのままこの横断歩道を歩いていく


そこからは一瞬の出来事だった


咄嗟に体が動いて女子生徒に手を伸ばすも届かず、トラックとの衝突は避けられないと見なした僕は女子生徒を守るように抱え込むとトラックとの間に身体を割り込ませた


次の瞬間、全身が爆発したかのような衝撃で意識が吹き飛びそうになる

背骨が砕ける音や内臓が破裂する生々しい音がやけに鮮明に聞こえていた

それからとても長い、長い浮遊感を感じた後、今度は地面に叩きつけられて呼吸するだけで襲い掛かる激痛が全身を我が物顔で駆け巡る

腕の中の女子生徒も意識はあるようだがうめき声が聞こえてくるだけで動かず、声を掛けようとしても開いた口から出てくるのは血反吐ばかりで言葉にならない

そこから先の記憶は曖昧で遠くに聞こえる悲鳴と驚嘆を耳にしながら僕のまぶたはゆっくりと閉じていった

ここまで読んでいただきありがとうございます


拙い文章ですが少しでも面白いと思って頂けたのであれば、是非続きを読んでご感想よろしくお願いします


誤字脱字等ありましたらご連絡下さい

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