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53話 リンクス王子とお茶会と...


今日はリンクス王子様に誘われて王城にきています。

護衛の方にいつものお茶会の見慣れた部屋に案内されました。


正直、二人っきりで何を話をしていいか分かりません。


····学校のことでもお話しましょうか···。


あっ!ピィーちゃんですが、またグリちゃんが来たのでお任せすることにしました。


コンコンとドアをノックする音が聞こえて、ドアが開きリンクス王子様が入ってきました。


「ごめん。待たせたかな?」


少し焦った様子で聞いてきました。


「いえ、さほど待っておりませんわ。」


私のその言葉を聞くと、リンクス王子様はホッとしたような顔になり


「良かった。」

と笑顔で言いました。


リンクス王子様は向かい側に座りました。


「何か緊張するね。」

「そうですね。二人きりで話すのは初めてですわ。」


お互いにふふふと笑い、その後暫くは無言になってしまいました。


どうしましょう····。


話題を考えていると、リンクス王子様が話しかけてきました。


「フレアとは僕が四歳の時に一度会ってるんだ。」


私は驚きました。全然記憶にありませんわ。


「本当ですか!?」


リンクス王子様はニコッとして


「うん。実はお忍びで母上とアンドリエ家に行ったことがあるんだ。その時に一応少しだけ話しをしたんだけど覚えてないよね?」


う~ん。リンクス王子様が四歳なら、当時私は三歳。正直、三歳の時の記憶はほとんどございませんわ····。


「申し訳ございません。覚えてないですわ。」


私は謝りました。

ですが、リンクス王子様は気分を害した様子もなく


「だろうね。でも僕は覚えている。その時にフレアのことが気になったから。」


「えっ!?」


そんな前からですか!?リンクス王子様はおませさんでしたのね!


「その時は君は僕のことを知らなくて、僕が話しかけた時はキョトンとしてたよ。でも年齢が同じくらいだったからか、嬉しかったのか、すぐにお庭を案内してくたり、鬼ごっこってやつを教えてくれて遊んだよ。」


リンクス王子様は、その時のことを思い出しているのか微笑んで語っております。


「僕の周りも大人ばかりだったし、同じ年頃でも親に何か言われてるのかよそよそしいし。打算的に近づいてくる人間達ばかりだった。君が初めてなんだ、屈託のない笑顔で普通に接してくれたのは。」


覚えてないですが、そんなこと言われるととても嬉しいですわ。


「君を可愛いって思った。思わず僕は実は王子なんだって言ったら、一瞬驚いた顔したけど、今は私と同じただの子供だね!もっと遊ぼうって言ってくれた····。」


それは何も考えてなかっただけですわ···。三歳の時に戻って、三歳の私に言ってやりたい!王子様に「ただの子供」って言葉を言うな!と····


「それが凄く嬉しかった!王子とわかっても普通に接してくれたことがどれだけ僕の心に響いたか!」


「····。」


「その後すぐに王城に帰らなければいけなかったが、君が花嫁になってくれたら嬉しいと思った。年齢とフレアの家の爵位を考えても、僕の花嫁筆頭候補だと信じてた。ずっとその時を待ってたけど、ムーフォンス兄上の花嫁候補になってしまったり、ローラン殿の仮の婚約者になったりした。」


「·····。」


「僕にもチャンスが欲しいんだ。これからの僕を見て、ローラン殿か僕かを選んで欲しいんだ。」


そんなに前から私のことを思ってくれてたなんて····。


「私は妾とか嫌なんです。お嫁に行くなら一夫一妻のところがいいんです。」


私は自分の正直な気持ちを話しました。

リンクス王子様は一瞬考えて


「それはローラン殿は正直厳しいと思うけど、それでも仮とは言え婚約したのは何故?」


「ローラン様は確かに、女性にはだらしないと思いますけど、プロポーズの時は妻にするのは私一人たけだとお約束してくれました。私はそれを信じて婚約しましたわ。」


まさか、ムーフォンス王子様とリンクス王子様の正妃になりたくなかったからとは言えませんわ。


「····そうか···フレア、僕も妻は君だけでいいと思ってるよ。」


嬉しいですわ····ですが····


「リンクス王子様は第三王子とは言え、王家の方です。私一人だけと言う訳にはいかないと思いますわ。」


権力の問題、国の問題とかできっと娶らなければならいでしょう。


特に王子ですもの。個人や家だけの問題ではなくなります。


リンクス王子様は少し悲しそうな顔をし


「それを言われると何も言えない。僕は国の為に花嫁を娶らないといけない事もあるかもしれない。それでもフレアには僕の隣にいて欲しい。」


「リンクス王子様····。」


リンクス王子様は真剣に私の顔を見てます。

私は、一瞬ローラン様の顔が頭によぎりました。


「ただ、僕も真剣に君を思っている。それだけは忘れないで欲しい。」



それからは話題を変え、学校の話をしました。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



ある週の日曜日。


私達家族は珍しく全員いて朝食を取ってました。


そこにお父様が話かけてきました。


「フレア、リンクス殿下からもう一度正妃の件を考えて欲しいと再度打診があったぞ。」


リンクス王子様は本気なんですわね····。


「やっぱり!最近、リンクス様が私にフレアの事を聞いてくるのよね!」


アンナ御姉様に!?


「一昨日だったかな。ランベルト様と一緒にいたらリンクス様がこっちにきて、私にフレアと結婚したいですって言ってきて、ランベルト様とびっくりしたわ!」


····リンクス王子様は外から固めてきてる?


「別にリンクス王子様でいいんじゃないの?ローラン様よりはいいと思うわ。」


ノーレン御姉様ったら。


「私は反対だな」


シャベールお兄様?


「ローランは確かに色々あるが、何かあった時はフレアを全力で守るだろう。殿下はフレア一人に構ってられない。国の為に動かなければならない。それにそんなところに嫁いだらフレアに気軽に会えなくなる!」


シャベールお兄様····嬉しいですが最後の一言が本音ですね?


ギオレットお兄様もリンクス王子様に嫁ぐのは反対とおっしゃいました。

御姉様方はリンクス王子様がいいとおっしゃいます。


私の気持ちは複雑です。悩んでます。


「フレア、自分の気持ちを優先しなさい。わたくしもお父様もどちらを選んでもフレアを応援するわ。」


お母様···少し涙が浮かびました。


そこへ執事のセバンがやってきて、


「お食事中、申し訳ございません。旦那様、シャベール様、ギオレット様に至急お話したいと国王様の使いという者が来ておりますがいかがいたしましょうか?」


お父様達は顔を見合せ、


「すぐに応接間に案内してくれ。」

返事をし、お父様、シャベールお兄様、ギオレットお兄様は席を立ちました。


「了解致しました。」


セバンもお辞儀をしてすぐ部屋から出て行きました。


私たちは、何だろうと思いお互いの顔を見合せ、食事を再開しました。



暫くしてバタバタと騒がし音がしました。


私達は食後の紅茶を飲んでいました。

そこへお父様が眉間にシワを寄せて入ってきて、


「ミチルダ、暫くは帰ってこれないかもしれん。」


「どうかなさったのですか?」


お父様は険しい顔になり、


「カンチス王国が大規模で攻めてきたらしい。」


「「「「えっ!?」」」」


攻めてきったって···戦争になると言うことですか?


「いつもの小競り合いではない。すでに2つの村を占領されたと報告受けた。今から会議に出なければならない。」


私達の顔は真っ青になりました。


「大丈夫ですの?」


「大丈夫だ!」

その時に、シャベールお兄様とギオレットお兄様が部屋に入って来ました。


「「父上、お急ぎを!では行ってまいります!」」


お父様は力強く頷いて、シャベールお兄様とギオレットお兄様と供に王城へ向かいました。


私達は自然に身体を寄せあっていました。

前回のカンチス王国との大規模な戦争を思い出されます。

私が産まれるずっと昔のこと。歴史を習いました。その時は多くの死者が出ました。国王様も私のお祖父様もその戦争て亡くなりました。


ですが今回は大丈夫ですわ!英雄であるお父様も、その息子でシャベールお兄様もギオレットお兄様も居ますわ!ローラン様だって!


きっと!きっと!大丈夫!


今の私が出来ることは、すぐ終わりますようにと願うことだけでした。


お読みくださりありがとうございます。

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