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10話 夜会  一難去ってまた一難

今後の話の設定て、9話のヘレンの名前を追加をしました。




「き、君は▪▪▪?」


 抱きついてきたヘレンに声をかけた。


「ヘレンよ!会いたかったですわ!いつ辺境から帰られてのですか?」


 抱きついた少女がヘレンと名乗ると、ローランは険しい顔した。

 

 「離してくれるかな。」


 そう言うと抱きついていたヘレンを剥がし、そのまま私の方へやって来た。


 「ローラン様、ご一緒に参りましょう!」


 気にしてないのか、ヘレンは笑顔でまた側にやってきてローランに腕組みをする。


 「ヘレン嬢、私にはフレアと言うパートナーがいるので遠慮する。」


 ローランに抱き寄せられた。ちょっとドキッとしちゃった。


 ヘレンはそれを見て私を思いっきり睨んできた。そして笑顔になり


 「ローラン様、大丈夫ですわ。フレア様は私にパートナーを譲ってくださると言われましたわ。」


 おい!嘘をつくな!誰も譲るなんで一言も言ってませんが!!

 それを聞いたローランが、怪訝そうにこちらを向いてきたので、私は小さく横に頭を振った。それを確認したローランが、小さくため息をつき


 「ヘレン嬢、先程も言いましたが私には既にフレアと言うパートナーがいます。例え譲ると言われてもフレア以外にはパートナーにする気はないんで。」


 ヘレンはローランの言葉に一瞬怯んだが


 「どうしてですの?そんなお子様より私の方が魅力があると思いますわ。それにヘレン嬢なんて▪▪▪前みたいにヘレンとお呼びくださいませ。」

 

 失礼な人だわ!確かにお子様だけど!魅力も▪▪▪確かにそちらの方があるわね▪▪▪。


 ローランの腕に胸をぐいぐい押し付けいる。それを腕を振って払い除けた。


 そしてローランは私の方に向き


 「フレア、ちょっとお水でも飲んで待ってて。すぐ帰ってくるから。」


 そう言い、ヘレンに


 「ヘレン嬢、こちらへ」


 腕を引っ張って会場の中へ入っていった。




 あの方はなんだったのでしょう。

 ローラン様の婚約者とか言ってましたが、ローラン様はヘレン様のこと知らなかったってことはないか▪▪▪。知り合い程度ってことかしら。

 そうだとしたらヘレン様の一人相撲ってこと?ローラン様のことは好きなんだしょうけど。

 そう思ったらショックが和らいだ。

 婚約者とか恋人と聞いてショックだったってことは、私はローラン様のことを▪▪▪。


 などと考えていたら急に声を掛けられた。


 「フレア」


 「ひゃい!」


 びっくりして、返事を咬んじゃいました!


 ローランは申し訳なさそうな顔をして謝ってきた。

 

 「フレア、不愉快な思いをさせてすまない。」


 「▪▪▪いえ。先程の女性はローラン様と恋人で、婚約者とおっしゃっておりましが▪▪▪。」


 「彼女がそんなこと言ったのですか!?」


 かなりびっくりしている。


 「はい。」


 ローランは困惑した顔し、何か言いたそうにしているが、言ってもいいことなのか悩んでる様子。

 意を決して

 「フレア実は「パッパッパカパ~ン」」


 言葉を遮ってラッパの音が重なった。

 ローランはため息をついた。


 「フレア、国王様が来たようだ。さあ、中に入ろう▪▪▪後で彼女のことについて話をするよ。」


 そう言い、ローラン様は私の肩を引き寄せて会場の中へ連れて行った。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 会場に入るとちょうど国王様達が入場してきている最中だった。

 

 私達は国王様たちの入場を見ていたが、ローランが肩から手を下ろして、私の手を取り手を繋いだ。

 私は思わず顔を上げローランの顔を見た。ローランは真っ直ぐ国王様達を見つめていたが、私の視線に気づいたのか、繋いでいる手を強くした。


 ローラン様▪▪▪▪。

 

 取り敢えずこの問題はあとで!今はこっちを集中しなくちゃね!


 私は気を取り直し真っ直ぐ前を向いた!その時にヘレンを見つけてしまった。ヘレンはこっちを見て睨んでいた。

私はその視線をスルーした。



 国王様達のあとに続いて例の二人の王女様達が入ってきた。

 国王様が二人の王女様に歓迎の言葉を述べ乾杯の音頭を取って夜会が始まった。




 今回はムーフォンス王子と、ジャンヌ王女が先にホールに行きダンスをし、それを皮切りに男女がホールに集まり出した。


 「フレア、私達も踊ろう。」


 私たちもホールへ向かった。

 

 うっうっ▪▪▪(泣)やっぱり踊り難いよう!身長差が有りすぎだよー!

 しかもヘレン様以外の目線も気になりますぅ~。前回からこんなんばっかりだわー!


 だけどローラン様は上手くリードしてくれてる。みんなの邪魔にならないようにホールの端のスレスレの所で!

しかも音楽隊がいる所だから、近くで痛い目線を直接受けなくていいしね!


 ローラン様ありがとう!


 ちょこまか動いている私を見てクサイセリフを吐いた。


 「フレア可愛い。」


 「なっ!何言ってるんですの!」


 そんなこと言われらめっちゃ恥ずかしいやん!

 決して可愛い顔してないのに、どこにそんなツボがあるのか分かんないわ。

 私は顔を真っ赤に嫌々と頭を左右に振った。

そんな私のしぐさに、


 「やっぱり、可愛い。」


 ローラン様はそう言い私を片手で抱きしめた。


 ギャー!どうしよう!どうしよう!

 心臓ドキドキして酸欠状態になりそう!

 抱きしめられてる状態で、クルクル回りながらダンスをしていたら、ヘレンが般若みたいな顔でこっちを見ていた。


 それが見えた私の体温は一気に急降下。


 ヘレン様ありがとう。現実に戻れましたわ。

般若顔のヘレンに少しだけ感謝しましたわ。


 少し身体をよじり、身体の間に隙間を作った。

 ローラン様は少し残念な顔をされましたが、そこは見なかったことにして

 「もう!恥ずかしいこと言わないでくださいませ!」


 「ごめんね。でも可愛いから思わず言っちゃったよ。」


 だから言われた方が恥ずかしいんだって!


 そうこうしてる内に一曲が終わった。

 ローラン様は続けて踊ろうと誘われましたが、精神的に疲れたのでおやすみしたいと言いホールから離れた。


 ちょっとした休憩所みたいな所へ座りに行き一息をつく。


 ローランがポポリン(リンゴみたいな味がするフルーツ)のジュースを持ってきてくれた。


 二人で椅子に座っていると▪▪▪いや、座った途端に周りにご令嬢様方がうようよ寄ってきた。


 「ローラン様、ごきげんよう。宜しかったら一緒に踊りませんか?」


 「ローラン様、ナホリンですわ。覚えていらっしゃって?」


 「ローラン様、あちらで一緒にお話しませんか?」



 ▪▪▪▪▪。

 ローラン、ローランってうるさい!!

 しかも隣に私がいるのに完全にスルーしてるし!

 私がお子様と思ってバカにしてます?

 ムカムカします!


 因みにその女性軍にヘレン様はいません。

 会場を見たら居ました!こちらを悔しそうに見てます。

 目が合ったら、また睨めました。なぜこちら来ないのかしら。先程、ローラン様に何か言われたのかもしれませんね。近づくな!とか。 


 ともあれピーチクパーチクうるさいお嬢様方をどうにかしてくれないかしら。

 

 チラッとローランを見ると、個々のお嬢様方にお断りをしています。それでも食い下がるお嬢様たち。お嬢様って肉食系が多いんでしょうか▪▪▪。

 取り敢えずどっかに行って欲しいので

 「ローラン様、私はいいから踊ってきてはどうですか?」

 ローランが驚いた顔をしている。

 『早くこいつらをどっかにやって!』

 の、意思を込めてニッコリする。ローランは察したように、

 「では、一人だけお相手してきます。ここにいてください。」

 すくっと、席を立ちホールへ向かった。もちろんお嬢様達も続く。皆様、お一人だけですって!壮絶な争いを想像しながら、ケガはなさいませんようにね。と心の中でつぶやいた。



 ふー!静かになったー!

 安心したらぐぅーとお腹が鳴った。お腹空いたわ。

 一曲終わるまで待ってた方がいいかしら。そう思ってもぐぅーぐぅーとお腹がなる。

 軽く食事をしてきましょう!軽くね!軽く!

 そう決めると料理がのっているテーブルへ行った。

 

 「うわあ!今回も美味しそうなのがいっぱいだわー!」

 私は直ぐさまフォークと皿を持ちお料理へ手を伸ばした。

 

 美味しい~!料理を堪能してます! 夜会のことなど忘れて、この度もバクバク食べてます!育ち盛りですからね!

 あっ!お母様に見つかりました。あとでお説教がきそうです。


 「相変わらず君は食事をしてるんだね。」


 後ろからいきなり声をかけてきた。振り向くとそこにはムーフォンス王子様が立っていた。


 「!?」


 びっくりした!しかも前回と一緒!食事をしていてお頬張ってるとき!何故に!?


 私が呆然としていると、

 「こんばんは、フレア嬢。今日の料理はどうかな?」

 

 はっ!

 前回と同じように▪▪▪ハンカチではなくお客様用ナフキンで口周りを綺麗にした。

 

 「ごきげんよう、ムーフォンス王子様。今回のお料理も絶品ですわ。」


 それを聞いたムーフォンス王子はニッコリとし


 「それは良かった。今回も料理長に言っておくよ。それより、今日は凄く可愛いね。」

 

 衣装がね!


 「▪▪▪ありがとうございます。」


 「先日はあとでダンスしようって約束したのに、探したら居なくなってて酷いじゃないか。」


 ギクッ。


 「人聞き悪いですわ。お約束をしたつもりございませんわ。」

  「へぇ▪▪▪」


 ムーフォンス王子から笑顔が少し消え目が細められた。

 ゾクッ!嫌な目!


 「それに本日はジャンヌ王女様、ルルカ王女様のお相手で忙しいと思いますわ。」


 「あぁ。彼女たちのお相手はダンスもしたし終わったよ。」


 ダンスだけではイケないと思いますが。


 「本日、私にはパートナーが居ますので申し訳ございません。」


 「パートナー?」


 ムーフォンス王子様は私の周りを見渡す。だが、それらしき人が居ないのを確認すると


 「本当に?まだ八歳なのにパートナーがいるの?」


 とクスリと笑った。

 

 「今は違う方のお相手をしてますの。」

 「パートナーの君がいるのに?」

 「はい。ムーフォンス王子様のようにおモテになる方なので。」

 

 その言葉にピクっと眉を動かし

 「なら一曲くらいは、私と踊っても構わないよね?」


 ヤバっ!藪蛇だったわ!

 焦っていると


 「ムーフォンス様、こちらにいらっしやったの?」

 「いつの間にか、お姿が見えなくなってお探ししましたわ。」


 ジャンヌ王女、ルルカ王女がやってきた。


 マジか~!次から次へと、何で私の周りにはこんなことばっかなの~!!


  ローランを探すとまだホールの方で、誰が踊るか揉めているようだった。

 まだ踊ってないのー!

 ローラン様~!もう、そんなのどうでもいいから早くこちらへ来て~!


 私の災難はまだ続きそうだった▪▪▪。

お読みいただきありがとうございます。


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