国立『前田利家』大学二次試験問題
古文・日本史
【問１】
小瀬甫庵作『太閤記』で
太閤秀吉と前田利家の関係を記したモノの中で
作者が前田利家を慮って取り上げた
と思われる
太閤秀吉の歴史と無関係なモノと、
太閤秀吉はたいそう喜ばれたけれども
前田利家の中では黒歴史となっているため、
責任を他人になすりつけている
と思われる事柄を
それぞれ１つずつあげ、
その理由も述べてください。
俣彦の考える解答
○作者が前田利家を慮って取り上げたと思われるモノ。
末森城の戦い
理由
小牧・長久手の戦いに呼応して北陸で行われました
羽柴方前田利家と徳川と連携しました佐々成政の戦い。
この戦いで前田利家は
末森城を後詰めすることにより
佐々軍を退けることに成功を修めたことは事実なのではありますが
その戦いの結果が
小牧・長久手の勝敗に直接影響を与えたわけでは無かったから。
○太閤秀吉は喜んだけれども
利家の中では黒歴史となっていること
賤ヶ岳の戦い
理由
秀吉と相対する
柴田方として出陣しました利家は
合戦途中。突如としまして戦線を離脱。
この戦いで利家軍は柴田軍の真ん中に陣取っていたため
柴田軍は二分された挙げ句
戦線離脱の際、
二分されました柴田軍を邪魔する形となり、
結果。先陣の佐久間盛政軍は前線で孤立。
秀吉方勝利のキッカケを作ることになったから。
戦後。
別段、功績の無かった利家に対し秀吉は
本領安堵のほかに
加賀半国を加増していることからも
その喜びようを読み取ることが出来ると思います。
ただし本文では
その事実をストレートに表現されることは無く
佐久間の暴走が柴田軍の敗北に繋がったと述べられています。
【問２】
では何故
小瀬甫庵は太閤記の中で
【問１】のような事を記録に残したのか？
歴史的背景より考えてみましょう。
個人的な解答
甫庵が前田家から給料を得ている身であったため、
本来でありましたら
太閤秀吉のことだけに集中して綴って行きたかったのでありましたが
特に民放の番組がそうなのではありますが
建前上。
コマーシャルを見て頂くために
番組は制作されております。
主食はあくまでコマーシャルでありまして、
番組そのものは副菜であります。
それと同じように
太閤記におけるコマーシャルは前田家であり、
副菜が太閤秀吉にあたることになります。
そうなりますと
秀吉から見まして
どうでも良い戦いが
突如としてクローズアップされましたり、
前田家から見まして
不都合な真実は隠しておきたくなるのは
ある意味
自然な流れでありまして。
多少の捏造は許してあげても良いのではないのかな？
と言うのが私の見解であります。
それでも
賤ヶ岳の一件に関しまして
スポンサーであります前田家の
創始者とも言えます
利家であったとしましても
許し難いところが作者にあったのでありましょう。
のちの世のかたのために
そのヒントを
気付かれぬよう作品の中に遺したことが
甫庵の功績の１つになるのかもしれません。
