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短いですが、とりあえず完結です。
結局、婚約解消を覚悟して行った、バラ園でプロポーズしてもらって、感極まった私は涙がなかなか止まらず、そんな私を ジェフリーはずっと抱き締めていてくださいました。
学園に帰った王太子様は噂を消すために奔走して下さり、マリア男爵令嬢にも紹介してくださいました。
なんとマリア男爵令嬢には、幼馴染みの婚約者がおり、その明るくさっぱりした性格から男性たちに乙女心について相談されていたとのこと。
「私、ガブリンと超らぶらぶなの!」
…マリア様、あなた?の発言もありましたが、まあ、そんな話はまたゆっくり親交を深めてからしていきたいです。
「キャシー」
「はい、ジェフリー」
私はあれから二人きりの時はジェフリーと呼んでいます。
ジェフリーは私をキャシー、と。
家族は私をケイトの愛称で呼びますが、皆と同じは嫌なんだそうです。
「もし婚約を解消していたら、お前はどうしていたんだ?誰かとまた婚約を?」
ジェフリーの不安げな目を見つめて私は言います。
「あのまま違う誰かと婚約、結婚しても、私はその方を愛せなかったでしょう。婚約を解消したら、修道院に入るつもりでした。」
「キャシー!」
ジェフリーが私をぎゅっと抱き締めて下さいます。
この胸の中が、私の幸せの場所です。あなたの幸せも此処でありますように。