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スライムは弱いのです。
ぶるるるるるるるっ!
スライムは、携帯のマナーモードのごとく震えていた。
おそらくだが、スライムなりの威嚇行為なのだろう。
ガルルルッ! ガルッ!
狼たちは、少しずつプルーへと迫っている。
くっ、非常に不味い状況だ。
ーーースライムは、全くもって自分に打開策がないことを自覚した。
何せ、さすが最弱の種族、攻撃手段が揺れる、這うしかないのである。
そんな時、しびれを切らした狼たちの内の、一匹がスライムに襲いかかる。
なっ!
ーーー気付いた時には、目の前に狼の爪があった。もう、避けるのは無理な距離だ。
スライムは、咄嗟に神に祈った。
どうか、自分の後ろで寝ている。ーースライムを助けてくださいと。
そして、時は止まる。
ーーーそんな気がした。
ぷるるッ!
ーーバシャ!!
静寂が辺りを支配する。
スライムは願った、頼む、頼むから自分の予想は外れてくれっ!
しかし、
プルーがおそるおそる視界を開くと、目の前には切り裂かれたスライムがいた。
ーーープルーは、絶望した。