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初めての遭遇
その夜、少し木の周りが騒がしかった。
プルーは、意識を浮上させながら、周りを警戒し始めた。
なんだ、やけに気配が多いな・・・。
いつの間にか、このスライムは気配を感じることができるようになっていたらしい。
野生のモンスター必須スキル、気配察知である。
ぷ・・る。
認識できる範囲に、騒がしさの元凶はどうやらいないようである。
ぷるる?
おっと、ルゥーも異変に気付き意識を覚醒させたらしい。自分によじ登ってくる。
ガサッ
背後から、音がした。
ぷる!
プルーは、すぐさま背後に意識を飛ばし、認識範囲を伸ばす。
すると、
ガルルルッ!
そこには、灰色のオオカミがいた。
それも、複数。
オオカミ達が、プルーに向かって、にじり寄ってくる。
ーーーこれは、どうやら友好的って感じじゃないな・・・。
プルーが生まれてから早一ヶ月、初めての敵性生物との遭遇である。