友達。
友の死は俄か、信じ難いです。
あなたは、[友達]を信じますか?
「昨日、何時に寝た?」
「えーっと…九時だったかな?」
「うわー!お前寝るの早っ!」
こう言うような、何の取り柄も無い話をするのが僕達の日課だった。
僕の友達の戸川拓真。
僕と同じ中学三年生。
簡単に言えば、親友。
保育園の時から一緒だった。
卒園のときも。
小学校に入学する時も。
卒業する時も。
いつでも一緒だった。
時には、喧嘩もした。
でも、すぐに仲直りをする。
誰が見ても親友と言える仲だった。
だけど、彼が居なくなる日はすぐそこまで来ていた。
七月二十五日。
事件は起こった。
今日は僕はいつも夜寝る前に読んでいる本を買いに行った。
「ありがとうございました。」
今日の店員さんは、いつもの店員さんと違った。
いつもは髪の長い女の店員さんなのに、今日は違った。
「あのっ…髪の長い店員さんはどうしたんですか?」
僕には一切関係ないのに店員さんの事を聞いた。
「…先週…お亡くなりになられました…」
先週…?
先週、本はまだ100ページ近く残っていた。
僕がもう少し早く本を読んでいればもう一回くらいは会えたかもしれないのに。
「…そうですか…」
そして僕は本屋から出て行った。
僕はいつも本屋の帰りにコンビニによってから帰っていた。
そのコンビニは僕の家の近くのコンビニより品揃えが少し豊富なのだ。
だから、本屋に行く度利用している。
「!」
そこには酷く荒れ果てたコンビニ。
「…潰れたのか…」
前まではよく客も来ていて繁盛していると思ったのに。
「しょうがないよな…。」
プルルルルッ!
僕の携帯電話が鳴った。
「はい。もしもし。」
「剣斗!大変よっ!拓真君が交通事故でっ…」
ガシャン
「もしもしっ?剣斗?」
拓真が死んだ?
どうして?
何で?
ピチャンッ
「!」
ザァァァァ
「雨か…」
拓真が死んだ。
交通事故で。
午後四時四十四分四十四秒。
戸川拓真死亡。
「!」
僕は自分が気づかぬまま、拓真の家に来ていた。
「剣斗君っ!」
「おばさん…」
家の中から拓真のお母さんが出てきた。
「剣斗君からも拓真に何か言ってあげて…」
僕の前には拓真の慰霊碑。
拓真が入っている箱。
「…拓真…今まで生きていてくれてありがとう…」
ここでさよならなんだよな。
「そして…死んでくれてありがとう…」
お前が死んで嬉しいよ。
僕はやっと自由だ。
誰にも縛られない。
誰にも指図されない。
自由だ。
死んでくれてあろがとう。
戸川拓真―――。
親友が死ぬとこういった気持ちになる事を私は、小学五年生の時に知りました。
それを、小説にしました。