第三章 乙女トークと帰り道
この章で転校初日はついに終わりです!!
長々とすみませんでした(汗)
・・それではどうぞ!!↓
・・・あの後、私と愛莉達はけっこう仲良くなった。
とりあえず、まとめてそれぞれの紹介をしよう。
まず、凄く美人で、黒髪が似合う女の子、「黒崎 美春」(くろさき みはる)。
けっこうクールで、あんまり喋らない。
・・・次は、茶髪で元気な女の子、「明石 夏帆」(あかいし かほ)。
趣味は写真を撮る事らしい。
最後は、ご存知の通り、「川内 愛莉」。明るくて、誰とも壁が無い女の子。
ちなみに容姿も普通に可愛くて、髪の毛は茶色と黒が混じった様な色をしている。
・・・・・と、まあ、簡単な説明が終わった所で、今の私の現状に移りたいと思う。
・・今、私は愛莉達と下校中。
それも、恋話をしながら。
「・・・ねえ、涼香ちゃんには言ってなかったけどね、うちの好きな人・・・。「し・・・・」なの・・・・。・・・・・きゃー言っちゃった!!」
・・愛莉が恥ずかしそうに言う。
勇気を出して言ってもらった愛莉には悪いが、肝心な名前の方が聞こえなくて、(「し」っていう所は聞こえたけど。)私は「え?」と聞き返してしまった。
「・・・もー・・・。ちゃんと聞いといてよ~~。」
愛莉がちょっと恨めしそうに私の方を向いた。
「御免ね・・」
私が言う。
愛莉達の前では段々普通に接しられる様になった私。(といってもまだ完全に上がり症が無くなったわけでは無いけど。)
・・・少しずつ進歩(?)してきているのだ。
「・・・だから・・・・正人君だってば!!」
愛莉が顔を赤くしながら言う。
自分の知らない人かと思ったのに、以外に知り合い(?)だったので、ちょっとビックリした。
「・・・正人・・・君・・か。へえ・・。」
普段、(というか、心の中では。)「正人」と呼んでいたので、実際に声に出してみるとなると、何と無くむず痒い感じがする。
「・・・うん。・・・といっても、あんまり話さないし・・・。正人君、モテるから多分うちの事なんて全然意識して無いと思うけどね・・・。」
愛莉が少し寂しそうに言った。
その表情は、普段(と言ってもまだ一日しか経って無いけど。)見たことも無い様な「女の子の顔」で、愛莉が何だかすごく大人っぽく見えた。
「・・・・そうなんだ・・・。」
「・・・うん。うち、正人君ともっと話したいんだけど、なんか正人君だけ意識しちゃうの・・。」
・・愛莉は誰とでも屈託も無く話せる子だと思っていたのに、何だか以外な発言。
やっぱり私は恋する女子の気持ちがよく分かって無いみたいだ。
(意識しちゃう・・って事は、私みたいになっちゃうって事?それも正人だけに?・・・でも、正人は話しやすいと思うんだけどな・・・。なんでなんだろ?)
乙女心の全く分かっていない私は、そんな疑問を持ちながらも、
「大変なんだね・・。」
と、とりあえず言っておいた。
「うん・・。頑張っていきたいと思ってる!・・・・で、涼香ちゃん・・・。頼みがあるんだけど・・。」
愛莉が少し私の方へやって来て言った。
「・・・涼香ちゃん、正人君の隣でしょ・・・?だからさ・・・。」
「・・・あ、うん。恋の手伝いだよね?」
大体女の子が恋話をするとなるとこのケースばっかりなので、今までの経験上、私は先読みしてそう言った。
「そうなの!さり気無くでいいからさ。お願い!!」
愛莉が片目をつぶって顔の前に両手を重ねた。
「うん。勿論。」
そう言って小さく笑ってみる。
愛莉はそんな私を見て、
「有難~助かるよ~。」
とホッとした様な笑顔で言った。
「・・・それで・・・・美春ちゃんにもやっぱり好きな人は・・・いるんですか・・・?」
最後の方は少し敬語になってしまったが、初めて自分から友達に話しかけてみた。
・・・実はクールな感じの美春に少し興味を持っていたので、好きな人がいるのかどうか気になっていたのである。
・・・しかし、美春はこちらに顔も向けずに
「いるけど、教えない。」
と言った。
・・・当たり前の答えだったが、軽くショックを受ける。
(・・・あ、やっぱりまだ一日しか経ってないもんな・・・。信頼はされていないに決まってるか・・。)
・・人と壁を作らない愛莉と話していた為、けっこう自分は受けいられていると思っていたさっきまでの自分が恥ずかしい。
「・・・ここ、私の家だから。・・じゃ。」
美春はそう言って、薄い青色をした家(いかにも美春らしい感じ。)へ入って行った。
「うん!また明日ね~!」
愛莉が言い、大きく手を振る。美春も軽く振り返して、ガチャンとドアを閉めた。
・・・その後、夏帆とも別れて、私と愛莉は二人っきりになった。
「・・・あのさ、さっきの美春の事だけど・・・。」
愛莉が急に話を持ち出して来る。
本当に唐突だったので、軽く驚いた。
「美春は、そっけなく言ってたけど、初めて会った人に好きな人がいるって教えたの、今まで一度も無かったよ。だから、「信頼されてない」とか、そういう事は無いと思う。」
「・・・え・・?何で・・」
「・・・美春に「教えない」って言われた時、涼香ちゃんちょっと寂しそうだったでしょ?だからそうなのかな~って思って・・・。・・・余計なお世話かもしんないけど。」
愛莉が少し笑っていった。
・・・けっこう鈍感な子だと決め付けていた為、その鋭さ(?)はなかなか意外な一面だった。
「・・・うん。教えてくれて、有難う・・。」
そう言って、ちょっと笑い返してみた。
愛莉も、それを聞いて安心した様に笑った。
「・・・いえいえ♪・・・・あ、ねえ、そういえばさ・・・」
・・・と、また話を変えて、さらに話し続ける。
「・・・涼香ちゃんってさ、好きな人いるの??」
「・・・ううん。・・・居ないんだよね・・。」
「へぇ・・・。・・・え、でもさ、初恋はもうしたよね??・・何年生の頃した~?」
「・・・・嫌・・・そ、それもまだ・・・。」
「・・・え・・・。」
・・うぅ・・・。何だか気まずいフインキ・・。だから恋話は嫌なんだ~・・・。
「・・・ほ、本当に一度も無いの?!・・・せめて気になる人とか・・。」
「気になる人か・・・。・・・うん、無いかな・・・・。」
アハハ・・・と苦笑いしてみたが、愛莉は「んなバカな・・。」と言わんばかりのビックリ顔・・。
(・・・そんなに驚く事かな・・・・。)
と、少し疑問に思ったが、まあ、確かに前の学校でも好きな人がいない女子はほとんどいなかったなぁ、と思い出し、愛莉が驚くのも無理は無いかと考え直した。
「・・・って、あ!!ここもう、うちん家だった!・・・・それじゃあまた明日ねっ!!」
しばらく小さな沈黙が続いたが、愛莉の家がすぐ近くにあった為、気まずい状態にまではならなかった。
・・・・そして、愛莉とも別れた私は、家までの道を歩きながら、
「・・・・。「また、明日」、・・・か・・・。」
と、呟いてみた。
何だか新鮮な感じで、変にムズムズした。
・・・でも、嫌じゃ無いムズムズ感だった。
------・・・。
ーー・・夜ーー・・。
春の夜風が部屋の窓から吹き込み、私の髪を小さく揺らした。
お風呂からも出て、歯磨きも済ました私は今、自分の部屋のベットに寝っ転がっていた。
天井を見つめながら、何と無くボーっとしてみる。
(・・・。今日は・・・。いろんな事があったなあ・・。)
転校初日に、いきなり友達も出来て、恋話なんかもして、隣の男子とも仲良くなって・・。
・・・なかなか充実した一日だったが、その分いつもより心身共に疲れていた。
ふいに息を吸ってみると、新しい木の匂いと、春の香りがした。
・・・時計に目を向けると、短い針は「9」を、長い針は「5」を指していた。
こんなに早く寝るのは久しぶりだな、と思いながら、私はベットから起き上がり、電気を消した。
月の微かな光を感じながら、私はゆっくりと目を閉じる。
すぐに、真っ黒な闇が押し寄せてきて、私はそんな闇の中へ、深く沈んでいった・・・。
・・・どうだったでしょうか・・・?
とりあえず、ここで転校初日は終わりです!
次回はついに主人公登場!!
「やほー♪」な気分ですww
という事で、早く次回が書きたくてウズウズしています♪♪
ここまで読んでくださって、本当に有難うございます(感謝)!!
{感想等を下されば、私も書いてくれた方のところへ行って、感想書きますよー。}