第二章 いきなり大失態?!
ついに第二話です!!
どうぞ!!↓><
はらはらと少し儚げに散る桜を横目で見ながら私は大きなあくびをぐっと我慢した。
(・・・・ヤバイ・・・。ヤバイぞ・・。)
予想以上の授業のつまらなさ。
前にいた自分の学校ではもう少し面白かった気がする・・・。
長々と語る先生の低い声。
何も言わずにただひたすら手だけを動かす生徒達。
(・・・ちょっと!皆、真面目すぎでしょ!!)
勿論、クラスが五月蝿過ぎるのを望んでいる分では無いけど、この時間がこれから毎日、しかも六時間ずつあると思うと涙が出そうだ。
さらに「もう一つの敵」が私の前に表れる。
・・・そう・・・。「睡魔」だ・・・。
じわじわと私を追い詰め、瞼を重くさせていく・・・。
甘い誘惑の声が聞こえてくるかの様だ・・・。
「楽しい夢の国へゆこうよ。」・・・・と。
その、ピーターパンの様な楽しげな睡魔の声に、抵抗していた私だったが、この状況といい、私の反抗HPは赤くなり、点滅状態だった。
(ああ・・・・・もう、駄目・・・。)
そしてそのまま、私は打ち撫せになって、寝た・・・・。
ーーーー・・・・。
「・・・・・・さん・・・。」
「・・・・むらさん・・・。」
・・・誰かが私を呼んでいる・・・。
だけど、もうちょっと寝かせて欲しい・・・。
「うん。あとちょっとだから。」
・・・・そう答える。
・・・かすかな笑い声が所々から聞こえて来たが、私はそれ無視してまた夢の世界へ戻ろうとした。
・・・・しかし、まだ声は私を呼ぶ・・・。
「・・・・て・・・」
「おき・・・・・」
・・・だんだんイライラしてくる。
人がせっかく寝ているのだから、静かに寝かせて欲しい。
なのに、まだ声は止めない。
イライラが限界になった私は、
「安眠妨害は止めて下さい!!!」
と、イラついた声で言い放ち、右手でしっしと追い払った。
・・・途端に聞こえてくる大きな笑い声。
はっと顔をあげると、そこは教室だった。
「・・・え?え?」
動揺して辺りを見回す。
そこには、顔、顔、顔・・・。
隣を見ると、苦笑中の正人の顔。
・・・・・・・も、もしかして・・・・。
・・・そうだ・・・。ここは教室だった・・・。
私、あのまま寝ちゃったんだった・・。
しかも、そんな私を正人が起こしてくれたっぽい?!
・・・・だんだん、恥ずかしさがこみ上げてくる。
さっきまでの眠気さなんていつの間にか吹っ飛んでいた。
(・・・や、やばい・・・。)
・・・そんな事を思っていると、正人が声を掛けてきた。
「・・・あの・・さ、授業、終わったよ。」
「・・・う、うん。有難う、教えてくれて・・。なのに、なんか済みません。「安眠妨害だ」とか言って。」
「いや、気にしないで。」
正人の言葉に、「良い奴だな~~」と思うのと共に、今さっきの忌まわしい出来事を思い出す。
さっき言ってしまった自分の台詞が恥ずかしい。
しかも、転校初日に、・・・・。
穴があったら入ってしまいたいほどの恥ずかしさ。
後悔の念が渦となって押し寄せてきた。
(・・・も、もう嫌~~~~~~。)
・・・笑い声はまだ収まらない。
行き場の無くなった私は、ただその場で座っている事しか出来なかった・・・。
・・・やっと笑い声が収まり、代わりにクラスの女子が(あと数人男子がこっそり紛れ込んでいた。)私の周りに集まって来た。
・・・・またもや、上がり症復活・・・。
さっきの失態もプラスになって、私はカチンコチン状態・・・。
(ああ・・・・・誰か・・・・助けて・・・。)
・・しかし、助けてくれる人なんて居る分も無く、女子達は私に凄い勢いで話しかけてきた。
「仲村さん、さいこーー!!!やばい!!まだ笑えるんだけど!!!!」
「わ、近くで見るとさらに可愛い!!! ・・・・男子達もいろいろ仲村さんの事言ってたよ!!!」
「おい!!何言ってんだ!」
「ねえねえ!!仲村さんは好きな人いんの???」
「何型ーー???」
「誕生日は?」
「痛っ!誰か私の足踏んだでしょ!!!」
「仲村さん!!付き合って!!」
「おい、何言ってんだ!!・・・それなら俺も!!!」
「御免、こいつらバカだから。」
「・・おい、なんでお前だけ良いポジションとってんだよ!!」
「・・・仲村さーん!!私、愛莉っていうんだ!宜しく!!」
「仲村さん・・・」
「仲村さん・・・・・」
(・・・・・。す、凄いテンション・・・。)
さっきまであんなに静かだったのに・・・。
私はクラスの人達の圧倒的な押しかけにより、もうどれから答えればいいのかも分からない状態で、ただ呆気に取られているだけだった・・・。
「はい。皆さん、座って。授業、始まるわよ。」
幸村先生の優しい声っっ!!!
ああ、救世主!!!!!
・・・しかし、皆はそんな声も聞こえなかったかの様にまだ私に話しかけている。
「・・・皆ーーー?早く座ってーー!!」
幸村先生の必死な呼びかけ。
・・・それからそれを5・6回繰り返し、やっと皆はしぶしぶと席に座った。
・・・そして、私はさっきと同じ様にこの時間も、睡魔と闘い続けた。
・・・鐘の音が、教室に響き渡る。
何とか睡魔に打ち勝った私はその鐘の音を聞いて、パアッと明るくなった。
(これで、HP回復!!!!)
だんだんと元気がこみ上げてくる。
・・・・・皆もそうだったらしい。
さっきまでの静けさとは裏腹に、バッと、勢いよく顔を上げて、席から立ち上がった。
・・・そう、今からお昼タイムなのだ!!!!!
次々とクラスの人達はグループを作り、自分の机や椅子を移動させ始めた。
(・・・私は・・・一人か・・。まあ、転校初日だし!!そんなの当たり前だよね・・・!!)
そう自分で自分を慰めて、一人、お弁当箱を開いた。・・・と思ったその時、近くから可愛い声がした。
「ねえ、仲村さん!一緒にうちらと食べよーよ!」
「・・・え・・。」
・・・一瞬、動揺する。
その子の方を向くと、女の子は私の動揺した表情を見て、こういった。
「ん?・・あ、御免、うちの事知らない?「川内 愛莉」(かわうち あいり)っていうんだけど。」
・・その名前、なんか知っている・・・。
・・自分の頭に「なんだったのか思い出すんだ!!」といいながら、記憶をさぐる。
そして、やっと思い出した。
そうだ!さっき話しかけてきた女の子の一人だった!
「・・・・・。」
思い出したのは良いんだけれど、緊張して、何もいえない・・・。そんな私を見て、愛莉が言った。
「・・・あ、嫌ならいいんだよ?・・無理にとは言わないし。」
「・・え、嫌、・・そうじゃなくて・・・。」
・・こんな時に自分の上がり症に対して腹が立ってくる。
「うん!!食べたい!!」って、言えば良いことなのに、何で上手く喋れないんだろう・・。
・・・でも、今は、自分に腹を立てている場合じゃ無い!!
せっかく誘ってくれているんだ!!
勇気を出せ!!自分!!!!
・・・私はそう自分に言い聞かせ、何とかその気持ちを声にだした。
「・・・一緒に・・・食べたい・・・です。」
すると、愛莉達のグループは
「うん!良かった!!それじゃあ、食べよ!!」
と言って、私の手を引っ張り、
「ほらここに座って!」
と、グループの中に入れてくれた。
「・・・・は、はい!」
私はそんな堅苦しい言葉を使いながら、3人のグループの中へ入っていった。
友達がさっそく出来てしまった私。
何だか事が上手く運ばれすぎな気もするが、そんな事はどうだっていい!(自分で考えていたクセに・・・。)
とにかく!今やるべき事は、この「愛莉」って子達と仲良くなる事なのだから!!
・・・どうだったでしょうか?
ちなみに、自分的には、予想以上に転校初日に時間をかけすぎてしまっているな・・・と反省中です(汗)
なるべく早く主人公を登場させるつもりですのでもう少しお待ち下さい!!
すんません!(汗)(って、「汗」多っ!(汗))