プロローグ 勇者と魔王の決着
世界を守る為、皆の平和の為に戦った。それがオレの全てだった。
※※※
その世界では、長きに渡る魔族と人間の熾烈な戦争が続いている。
そして今、一つのパーティーが魔王を討ち取らんと死力を尽くしていた。
「まだだ! 皆諦めるな! この一撃に全てを込める!」
魔王城の最上部。崩れかけた王室に勇者の声が響く。
満身創痍な身体に鞭を打ち、勇者はかすむ視界の先に魔王を睨み据えた。
あと一撃。あと一撃でも叩き込めれば、魔王を倒せる。そんな確信にも近い直感が勇者にはあった。
勇者はよろめく足を叱咤し―――駆けた。
魔王が叫ぶ。人間の何倍もある巨躯から発せられるその声は、空気を震わせ耳を劈く。
だが勇者は止まらない。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
雄叫びを上げて迫る勇者に、魔王の巨大な剣が片手で振るわれる。
防ぐ余力はない。当たればパーティーの敗北が決定する。
それでも勇者は足を止めずに突っ込んだ。仲間を信じているから。
「行けぇ!」
間に割って入ったタンクの巨大な盾が、魔王の剣を弾く。
幾度となく酷使した盾は、その一撃で砕け散った。
だがそれで充分。勇者は全力で跳躍――剣を構えた。
魔法使いから放たれた魔法が、僧侶の力により剣へと吸収される。
「これで……終わりだぁ!」
赤雷を纏った剣が振り下ろされた。
雷鳴が轟き、雷が魔王を包み込む。
紅の閃光が一帯を灼き、その日、人類は勝利を収めた。




