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一ノ瀬英一のおバカ譚  作者: 八野はち
12/69

11話 「クソガキトリオ結成」

「プルルルルルル」

「もしもし?先輩どうしました?」

「ああ今どこにいる?」

「今先輩の部屋で先輩のベッドの上で寝っ転がってテレビ見てますけど」


 悪びれもせずに当然のようにほざいてくる。


「なぜ当然のように俺の部屋に上がりこんで俺のベッドに寝っ転がってテレビを見ている!てめえは出禁だって言っただろうが!」

「あ、間違えました。テレビを見ながらポテチを食べています。それにしても先輩のベッドの上ポテチの破片が散らばってて汚いですよ。ちゃんと掃除しておいてくださいよ」

「お前が落としたポテチだろうが!ベッドの上でものを食うんじゃねえ!」

「そんなことより何か用ですか?今日の夕飯の買い出しですか?」


 まるで俺が勝手に怒っているかのように話を戻す。


「なんで今日も泊っていく気満々なんだよ!お前は二度と泊めないと誓ったんだよ」

「まあそんなこと言わないで下さいよお。まだ昨日のこと根に持っているんですかあ」

「当たり前だろうが!ほんとならお前に電話かけるのも嫌だったわ。昨日止めなかった腹いせに室外機に泥団子爆弾ぶつけやがって。てめえだってバレバレなんだよ」

「うっ。そ、そこまで言わなくても、うっ。いいじゃないですかあ。ひっく」


 電話の向こうから嗚咽が聞こえてくる。


「わ、私だって好きでゲロかけたわけじゃないですしい、鍵だってわざとなくしたわけじゃないんです。うっ。で、でも先輩がそんなに言うんならわかりました。もう明日引っ越しますう。ひっく」

「あ、いや、泣くなよ。分かったよ。俺も言い過ぎた。たしかにわざとじゃないよな。引っ越す必要はねえよ。ずっと隣に住んでてくれていいから。な。泣くなって」


 慌ててフォローを入れる。


「ゆいちゃんどうしたのだ?もしかして彼氏か?DV男か?余が文句言ってやる。大丈夫だぞ。ちょっと貸すのだ」


 少し小さい声が遠くから聞こえてきた。


「ああだいじょぶだいじょぶ。泣き真似だから。ちょっと泣いたふりしたら許してくれるちょろい童貞だから。あ。冷蔵庫好きに漁ってくれていいからね」

「てめえ聞こえてんだよクソ女が!今すぐ引っ越せ!人の優しさにつけこみやがって!」

「ひっく。だからあ、冷蔵庫買って下さいい」

「もう無理だから泣き真似やめろ。未来に冷凍保存してやろうかお前は!よくこの流れでそんな厚かましいお願いできたな!てか何勝手に友達上げてんだこら。冷蔵庫まで漁ってんのか?あ?」


 電話の向こうの女に怒鳴りつける。


「そんなことよりほら!先輩何か用があったんじゃないですか?」

「ああそうだった。お前があまりにうるさいから忘れてたわ」

「おもに叫んでたのは先輩でしたけどね」

「あ?」

「それで何ですか?」


 話を続けようとする。


「今から学校に来てくれないか?西校舎の学校福祉部って部室なんだが。まあ部室というか教室だ。さっきのは黒森か?ならちょうどいいから一緒に来てくれ」

「そしたら今日は…」


 言いたいことはすぐに分かった。


「それはないな。安心しろお前の部屋の鍵ぶっ壊してでもお前を家に帰してやる。それか実家まで送ってやるし最悪また黒森の家にでも泊めてもらうんだな」

「でもそしたら迷惑がかかるじゃないですか」


 などと心配そうに言う。


「誰よりも俺に迷惑がかかってるんだよ!現在進行形でな!俺には迷惑かけてもいいってか⁉お前今度まじでお前の実家連れてけよ。一言言いてえよ」

「もう先輩は気が早いですねえ」


 「ぴゅう」などと冷やかしの口笛を吹いてくる。


「もうお前はしゃべんな!いいから黙って学校に来い!来ないと殺す!」


 そう言い捨てると俺は通話を終了した。少し話しただけで体力と精神力を根こそぎ持っていかれた。恐ろしい女だ。


「あんた女の子相手に言い過ぎじゃないの?」


 二夕見が会話が聞こえなかったのかジト目で見てくる。


「あれを女と思ってはいけない。こっちがやられる」

「ていうかあんた部屋に泊めたわけ?」


 やべっ。それは聞こえてたか。二夕見が性犯罪者を見る目でこちらを見てくる。


「いや俺も公園で寝ろって言ったんだがなあ。ダメって言っても出て行かなかったからしょうがなく――」

「あ、もしもし警察ですか?なんか隣に住んでいる女子高校生を一六歳の男性が部屋に無理やり入れて卑猥な行為を強制的にさせたらしいんですけど――」


 先日のように無言で110番通報しだす。


「ちょっと待て!」


 俺は二夕見からスマホを取り上げるとすぐさま通話を終了させた。


「お前話聞いてた⁉俺なんもしてねえから!ていうかあいつが勝手に居座ってたようなもんだから」

「ふん。どうだか。汚い手で私の携帯さわらないで」


 二夕見は俺の手から携帯を取り返すと除菌シートで拭き始めた。俺はトイレの後は入念に手を洗っているから汚くないっつうの。


 しばらくしてドアがノックされた。


「コンコンッココンコン♪雪だるまつくーろー♪ドアをあけてー♪」


 天ヶ崎と黒森がやって来たのだろう。相変わらず意味の分からん奴だ。


「そんなディズニープリンセスみたいな陽気な子なん?」


 蓮浦が恐ろしい勘違いをする。


「気をぬくな。やられるぞ。どちらかと言うとピッコロ大魔王みたいなやつだ」


 もちろん悪い方のな。


「そ、そんな子紹介するん?」


 ちなみにその間桑名はそわそわしていた。俺はドアを開けてやる。


「なんですか先輩。何の用なんですか?私早くお家帰って見たいテレビあるんですけど」


 天ヶ崎が不満げな顔で見上げてくる。


「それはお前の家じゃなくて俺の家で俺のテレビな」

「ていうか先輩部活なんて入ってたんですね。学校福祉部って。ていうことはりんご

ちゃんを紹介してくれたのもその部活関連なんですか?」

「そうだよ。黒森に頼まれてな」


 こいつにしては鋭いじゃねえか。


「別に余はそんなこと頼んでないし。どうしても会ってほしいって言われたからついて行ってやっただけだし」


 黒森が言い訳し出す。


「はいはい。で今日はこの桑名が友達欲しいって言うからお前らを呼んだんだ」

「はあ?俺様別に友達欲しいとか言ってないから!この部室に無理矢理行かされて、なんか勝手に電話したと思ったら呼ばれただけだし」


 桑名が口を尖らせる。


「じゃあ今からでも帰ってもらうか?」

「せ、せっかく来てくれたのに何もしないですぐに帰したら悪いからいいよ。お、俺様は別にいいけどね」


 などと言って強がっている。


「あれ?そこにいるのは同じクラスの桑名ひかりではないか。なぜ…。あ、そういう」


 黒森が過去の自分と重なったようですぐに察した。


「あれ?りんごちゃん知り合い?」


 バカな天ヶ崎が全く知らないといったリアクションをする。


「何を言っているのだ。ゆいちゃん。同じクラスではないか。余たち四人はぼっち四天王と呼ばれているのを知らないのか?この三人に加えもう一人いるが」


 そのあだ名悲しすぎるだろ。てかまだいるのかよ。まさかそいつもここに来る気じゃねえだろうな。どうせそいつもクソガキなんだろ。ここは児童相談所じゃねえんだぞ。


「あ、そうなの?ごめん私まだ同じクラスの人たち全然知らないんだよね」


 だから友達できねえんだお前は。


「ゆいちゃんは仕方ないのだ。いつもぼーっとしておるしな」


 さっきから桑名も会話に参加したそうにしているがしゃべろうとする度にかたまっている。さすがニートはだてじゃないな。


「まあ入って来いよ。ちょっとこのニートと話してやってくれよ。このニート引きこもりの割にはおもしろいぞ」

「はあお前黙れ。ニートって言うな」


 椅子を二つ引っ張り出してくると桑名の横に置いた。そこに天ヶ崎と黒森が座る。


「あ、あのな、桑名さん。余は実は桑名さんと仲良くなりたいと思っていたのだ。勇気が出なくて話しかけられなかったのだ。これから仲良くしてほしい」


 あの黒森が勇気を出して話しかけている。本当に友達になりたかった方だからだろう。


「頑張ってひかりちゃん」


 二夕見が後ろから手をグッとして応援する。


「お、俺さ、わ、私も仲良くなりたかった。あ、あのありがとう。よろしく」

「おい別に無理して私とか言わなくていいんだよ。こいつも似たような変人なんだから俺様ってガキみたいに言っとけ。キッズが変な気使わなくていいんだよ」

「はあ!キッズじゃねえしボケ!別に無理とかしてないから!ちょっと間違えただけだし」

「はいはいキッズは早くお家帰ってキッズチャンネルでも見ましょうねー」

「はあ死ねよお前!うんこまんがよお!」


 歯茎を見せて生意気に言い返してくる。


「まあほんとはこういうやつだ。クソガキ同士気が合うだろうから仲良くしてやってくれ」


 俺は二人に向けて微笑みかける。


「ふむ。まあ余は別にクソガキではないがやはり桑名さんには素質があったか。余と同じ波動を感じる」


 やはりダメなやつはダメなやつを感じるらしい。てか俺の予想だけどこれ黒森と桑名はお互い友達になりたかったけど天ヶ崎とはそうでもなかったぽいな。まあこんなに変なやつだしな。可哀想に。


「あ、私の名前は天ヶ崎ゆいなだよ。ゆいなでもゆいちゃんでもゆっぴーでも好きに呼んでね。あ、ひかりんって呼んでいい?」


 天ヶ崎はコミュ力は高いみたいで一気に距離を詰める。


「え、あ、えっとそのいい、よ。ゆいな…さん」


 桑名が言いよどむ。


「さんは要らないよー、ひかりん」

「余もひかりと呼びたいのだ。それにしてもこれで余の勢力も力を増してきたな。マスタークラスが三人ともなればやつらも黙ってはいまい。くっくっく」


 やべえやつら三人集めちゃったかな。しーらねっと。


「いやあ二人とも友達出来てよかったなあ」


 蓮が感慨深そうに黒森と桑名を見つめる。


「一応三人って言ってやっといてくれ蓮。あいつはノーダメージだったがボッチだったんだよ」

「お前の隣人強すぎやろ」


 でもこれで桑名もニート脱却して明日からは普通に学校に通えるだろ。良かった良かった。




「あ、みなさんいつも兄がお世話になっています」


 天ヶ崎が急に三人に向かって頭を下げ始めた。


「え?この子一ノ瀬くんの妹なん?」


 唐突な戯言に蓮浦が驚く。


「ああこいつ頭がおかしいんだ。今はそういう設定らしい」

「す、すごい子ね」


 二夕見が驚愕する。


「いつもお家では


『なあゆいな。お兄ちゃん女の人のパンツ見たことないんだ。お前のパンツ見せてくれよ。はあはあ。え?ダメ?じゃあお兄ちゃん学校でそういうことしちゃうぞいいのか?』


みたいなことばっか言ってきたり、隙あらば私のパンツを被って『ひゃっほう!』と叫びながら家じゅう走り回っているのですが、部活ではどんな感じなのか心配なのです。皆さんに迷惑かけておりませんか?」


 更にふざけた戯言をぬかす。


「適当な嘘をつくなあ!いつも俺に迷惑かけているくせにできた妹の真似をするのはやめろ!」

「まあ部活でもだいたいそんな感じね。ね?」

「せやな。そんな感じや」

「嘘をつくなてめえらあ!」


 二夕見と蓮が真顔でのってきた。


「がははははははは。きもっ」


 桑名はツボに入ったみたいで爆笑している。


「じゃあにいに。お家に帰る前に今日の夕飯の材料買いに行こっか」


 などと言って手を繋ごうとしてくる。ええい放せ!


「誰がにいにじゃボケが!てめえはさっさと実家に帰れ!ていうか泥団子とホウ酸団子くらいしか作れねえくせに何の買い物に行くんだよ」

「英一!あんたはほんとに文句ばっか言ってからに!いい加減にしなさいよ!そんなにお母さんが作るご飯がいやだったら出て行きなさい!」


 今度は母親面し始める。


「急に妹から母親の真似をするんじゃねえよ。あと出て行くのはお前だバカヶ先」



「プルルルルル」


 突然天ヶ崎の携帯が鳴った。


「もしもし。あ、大家さんですか?どうしました?え?鍵ができた?ほんとですか?ありがとうございます。今から向かいますね」


 通話を終了する。


「先輩訃報がありますよ。先輩にとっては悲しいお知らせかもしれません」


 分かりますみたいな顔でこちらを見てくる。


「聞こえてたわ。朗報だばかたれ。ここ最近で一番の朗報だよ。さっさと帰って自分の部屋に戻んな」


 手でしっしっとする。


「これで先輩は私の寝顔が見れないし、私の匂いもかげませんね。寂しいですよね。心中お察しします」

「ひゃっほう!お前の寝起きに立ち会わずに済むうえにお前にゲロかけられる心配もないなんて最高じゃねえか。このまま引っ越してもいいんだぞ」

「そんな先輩行かないで下さいよ!」

「なんで俺が引っ越すんだよ。お前が引っ越すんだよ!」


 頭湧いてんのかこいつは。


「何言ってるんですか。引っ越すわけないじゃないですか。そんなことより次のお泊り会はいつにしますか?次はりんごちゃんとひかりんも連れて来ていいですか?」

「言いわけあるか!一人でも手に余るのに三人もクソガキの相手なんかしてられっか。勝手にどこぞでやってろ」


 恐ろしいイベント思いつきやがって。


「余はお泊りなどという子供の遊びに興味はないがまあどうしてもというなら行ってやってもいい。おやつはいくらまでだ?枕は持って行った方がいいか?」

「ノリノリじゃねえか」

「誰がお前の臭い部屋に泊るかばーか。トイレなんか便座にうんこついてるに決まってるだろ」


 桑名がバカにした様子で煽ってくる。


「はい残念俺はトイレ二日に一回は掃除してますー。お前の部屋はうんこ落ちてるかもしれないけど俺の家のトイレは綺麗ですー」

「はいどんまい。俺様の家のトイレ俺様がちゃんと掃除してるからめっちゃピカピカー。お前部屋よりトイレにいる時間の方が長いから掃除しても汚いー。はい俺の勝ちー。どんまいげんまい食っとけー」

「はい絶対俺の家のトイレの方がきれい。ていうかお前だけ呼ばれてないからお前俺

の家泊まれないはいどんまいしゅうまい食っとけー」

「え、呼ばれてない感じ?私だけ呼ばれてない?」


 突然憎まれ口が閉ざされる。


「おいダメージ食らいすぎて一人称私なってもうてるって。どないすんねんこれ」


 蓮がすかさずツッコむ。


「ま、まあいいけどね。別にお泊り会とか嫌いだし。俺様引きこもってる方が楽しいもんね。はーあ。もう部屋から出んどこ。お家帰ろ。はーあ」


 最後には大きなため息をついてあからさまに落ち込んでいた。


「ちょっと!一ノ瀬!謝んなさいよ!ちゃんとひかりちゃんも呼びなさいよ」


 二夕見が向かいから睨んでくる。


「いや、今のは冗談のつもりだったんだが、そもそも誰も呼ぶつもりないし」

「いいから謝んなさいよ!ほんと最低!死ねばいいのに」

「や、悪かったな桑名。今のは冗談だ。そもそも天ヶ崎も黒森も呼ぶつもりねえよ。別にこいつらもお前のことハブいたりしねえよ。なあ?」


 俺は二人に助けを求めるように視線を向ける。


「そうだよひかりん。お泊り会はちゃんと先輩の家でやるからひかりんも来てほしいな。もっと仲良くなりたいし」


 天ヶ崎が励ます。


「ほ、ほんとか?じゃ、じゃあい、行こうかな」

「うむ。みんなでやるのだ」


 黒森も仰々しく頷く。


「いややらねえよ?勝手にどこぞでやれよ?」

「じゃあ私はもう帰りますね。お疲れ様です」


 天ヶ崎が立ち上がる。


「ふむ。余も帰るのだ。今日はやけに傷が疼くのでな。復活の時が近いかもしれぬ」


 などと言って眼帯を引っ張っている。


「おい二夕見。傷が疼くってよ。ちょっと見てやったらどうだ?」

「は、はあ⁉なななんで私に言うのよ!私は知らないわよ」


 二夕見が油断していたようで椅子からひっくり返りそうになる。


「ふーん。そう?お前ならきっと分かると思ったんだけどなー」

「あ、あんたどういうつもりか知らないけど、そ、それ以上は許さないわよ」


 二夕見が蓮浦に助けを求めるように横目で見る。


「ん?何で二夕見さんなら分かるんや?」


 蓮が不思議そうに尋ねてくる。


「べ、べべ別に関係ないわよ!それより一ノ瀬あんたこのあとちょっと残りなさいよ。昨日のことで話があるわ。まずはその時のお礼をさせてもらおうかしら。たっぷりとね。ね、りん」

「せやな。どうやらまだ反省が足りてへんみたいやしな」


 蓮浦が指をポキポキ鳴らす。


「おい蓮聞いてくれよ!蓮浦この前お前のことめっちゃ――」


 俺はすかさず蓮に告げ口しようとする。


「ちょ、ちょっと待てー!そ、それは言わない約束だったやろ。ほんまにどつくぞ!」


 蓮浦が慌てて立ち上がる。


「なんやねん。このブスまた俺の悪口言っとったんか?」

「せ、せやねん。あいつキショイわー言うてたねん」


 蓮浦が焦りながら賛同する。


「よお自分のキショさ棚に上げて人のこと言えるわー。せや聞いてや一。こいつ中二の時にな、給食の時間にこいつが牛乳飲んどったから俺が変顔したったねん。したらこいつ」

「おい蓮太郎!それは言わない約束やったやろが!お前らほんまに病院送りにしたろか!」


 蓮浦は顔を真っ赤にして焦っている。こいつは案外面白いやつかもしれん。


「じゃあ二夕見の話にしとくか」

「なんで私なのよ!あんたいい加減にしなさいよ!あれだけこけにしといてまだ反省が足りてないみたいね!」


 結局殴りかかろうとしてくる蓮浦と二夕見、それを避けるため「あ、それ以上近づいたら言うぞ!いいのか言うぞ⁉」と秘密を叫ぼうとする俺たちの攻防は続いた。




「ふーっ。ふーっ。お互いに言わないから手は出さないことで異言はないわね?ふーっ」


 散々走り回ったせいで肩で息をしながら停戦の協定を結ぶ。


「はあ、はあ。ああ。約束だぞ。言わないから殴るなよ」


「てかもう三人ともいつの間にか帰ってもうてるやん」


 蓮が周りを見て気づく。


「ほんまや。まったく気づかんかった」


 気づけば夕方になっており俺たちも解散することにした。

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