表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
十人恋色  作者: Toki.
21/40

黄の恋色(1)

恋とは何……?


僕には分からない。


恋とは? 愛とは?


それはきっと、幻想でしかないと思う。


僕にそんな気持ちは芽生えない。


これから先、生まれることも無いと思う。


だって、幻想なのだから。


僕はリアルを見ているから。










僕の親友の祐太は、最近ある一人の女の子をよく見ている。


可愛いか、可愛くないか、そんなことはどうだっていい。


可愛かったら、なんだっていうの?


もし、世間一般から見て、とびっきり可愛い女の子がいても、僕にとっては何の関係も無い。


別に何も思いやしない。


こうやって、気を許せる友達同士で喋っているほうが好きだ。


祐太も楽しそうに昇と話している。僕もその話に、少しだけ口出しをさせてもらっている。


そういうのが気楽でいい。


今も、休み時間中の教室で、祐太たちと会話をしている。今も嫌な気持ちにはならないし、女と喋っているよりか楽だ。


あ、ほら、また祐太は女の子を見た。


一度、祐太に聞いたことがある。どうして、祐太はあの子を何度も見るの? って。


祐太は答えようとしなかった。


ただ、頬を真っ赤に染めて、見てねぇよと見え透いた嘘をつく。


嘘だ、見ていたくせに。


そう思ったとき、隣にいる昇が、照れ隠しだよ、と笑って教えてくれた。


それにも祐太は「だから、見てねぇつうの!」と誤魔化すのだ。


「どうして恋をするの?」


その質問に、誰も答えられやしない。


だって、もう分かってるでしょ。


幻想なんだから。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
web拍手を送る
感想をいただけると、Tokiの励みになります。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ