(^ω^)ここは【トーキョー】のようです
(^ω^)「2XXX年末、人間文明は崩壊したお」
('A`)「詳細は知らん。ニホンという国も亡くなった」
( ・∀・)「俺たちの顔、人間らしく無いだろう?これも、文明崩壊の影響なんだ。多分。恐らく、きっと」
(^ω^)「まぁ、正直生まれる十数年以上前の事なんて覚えて無いお」
('A`)「崩壊前の事もほとんど知らねぇしな」
( ・∀・)「で、そんな俺たちが、何をしてるかと言うと、過去に向けたビデオを撮ってま~す」
(^ω^)「実は、近所のおっちゃんがタイムマシンを完成させたらしいんだお!理屈は知らねぇ!男なら胸で感じろ!」
('A`)「つっても、滅茶苦茶小さい上に、無機物しか送れないらしいけどな」
( ・∀・)「という訳で、この映像をナノメモリに記録して、過去の人達に、現代の風景を見せてやろうってことです」
(^ω^)「何故、こんなことをするのか?それには、俺達が抱える、重大なる使命があるのです!」
('A`)「自由研究と言う名のな!」
( ・∀・)「季節は夏、時刻は10時、外気温28℃、雲一つ無い快晴です」
(^ω^)「でも、実際どうなんだお?タイムパラドックスがどうのこうのっておっちゃん家の本に書いてあったお」
('A`)「気にすんな!どうせ俺たちには関係無ぇ!」
( ・∀・)「これから先にお送りする未来が気に食わないのなら、未来を変えるんだ!お前の手でな!」
【???:秘密基地】
(^ω^)「で、何から話せばいいお?」
('A`)「そんなんあれよ、昨日の晩ご飯とか」
( ・∀・)「まずは現代がどういう状況か教えた方がいいんじゃない?」
('A`)「状況?さっきも言ったけど、詳しいことなんて知らねーよ?」
( ・∀・)「そんな大層なもんじゃなくてさ。俺達が今どこに住んでんのか、とかさ」
(^ω^)「俺達が住んでるのはトーキョーだお!廃墟と瓦礫しか無いコンクリートジャングルだお!」
('A`)「崩壊前はココも首都だったんだろ?」
( ・∀・)「確かね。一時期は人口1千万超えてたらしいよ?」
(^ω^)「イッセンマン?こんなところにそんなに居たお?」
('A`)「今はどれくらいなん?」
( ・∀・)「数千人だって。減ったねー」
(^ω^)「皆どこに行ったお?」
('A`)「死んだんじゃね?」
( ・∀・)「まぁ、確そうだけど、生き残った人も他のところに行ったんだって」
(^ω^)「なんで?」
( ・∀・)「さぁ?ここって何もないじゃん」
(^ω^)「確かに」
('A`)「むしろ昔の人はなんでこんなところ住んでたんだよ」
( ・∀・)「昔は色々あったんでしょ」
(^ω^)「例えば?」
( ・∀・)「ゲーセンとか?」
('A`)「昔の人、ゲーセンなんて知ってんのか?」
(^ω^)「おっ!じゃあ、次はゲーセン紹介するお!」
('A`)「つっても、ここの下の階だけどな」
【トーキョー:ゲーセン】
(^ω^)「ここがゲーセンだお!」
( ・∀・)「あ、ゲーセンってのは、昔のゲーム機がめっちゃ置いてあるところだよ。で、俺達の秘密基地でもある」
('A`)「俺が付けたんだ」
(^ω^)「嘘だお。おっちゃんがそう言ってただけだお」
('A`)「言うなよ。俺ってことにしときゃいいだろ?」
( ・∀・)「まぁまぁ。ゲーセンって言っても電気が通って無いから、バッテリー持ってこないと動かないけど」
(^ω^)「色々あるお!格闘、シューティング、カード、バトルロイヤル、競馬、ロールプレイ……あと、クレーンを操作するゲーム」
('A`)「最後まで出来た試しがない。大体途中で電源が落ちるか、バグっておしまい」
( ・∀・)「ちゃんと出来るのホッケーゲームくらいじゃない?あれぶっちゃけ電気要らないし」
(^ω^)「ホッケーは俺が一番上手いお!」
('A`)「ホントに強いんだよな……1対2でやっと同レベって感じ」
( ・∀・)「そうそう。だから、いつも負けてもつまんないから、最近はおっちゃんに手伝ってもらって、ゲーム機の改造してる」
('A`)「いつかここにあるゲーム全制覇してやる」
( ・∀・)「目標があるのはいいことだと思う」
(^ω^)「あと、よくわかんないけどでっかい写真撮影機があるお!使ったことないし使えないけど!」
( ・∀・)「昔は写真屋だったのかな?ゲーム機屋も兼ねて」
(^ω^)「?ゲームやるのにお金要るお?」
('A`)「ほら、ここに100円って書いてあるだろ?」
( ・∀・)「1回100円って、なかなかボッタクリだよね」
(^ω^)「こんなオンボロにお金なんてだせんお!」
('A`)「昔は新しかったんだろ」
( ・∀・)「まぁ何でもそうだよ。さて、そろそろ次の所に行こう」
('A`)「どこにする?」
(^ω^)「いいところがあるお!」
( ・∀・)「いいとこ?」
【トーキョー:コーエン】
(^ω^)「コーエンだお!トーキョーで一番、緑な場所だお!」
( ・∀・)「時刻は12時、外気温32℃、空もめっちゃ青い、快晴だね」
('A`)「コーエンの中央にある瓦礫の山と、無造作に伸びた蔦……俺はココを遺跡だと考えてる」
( ・∀・)「いや。これは運動場だったんだって」
(^ω^)「運動場?運動するのに瓦礫なんて要らないお?」
( ・∀・)「いや、スタジアムっていう建物が運動場を囲んで、それで、運動する人を観てたんだ」
('A`)「何が楽しいんだ?」
( ・∀・)「ほら、俺さ、ホッケーゲームで二人が真剣勝負してるの見るのなかなか楽しいんだよな」
(^ω^)「おっ!俺も楽しいお!」
('A`)「うーん……まぁ少しは分かる」
( ・∀・)「つまりそういう事だよ。それに、その為にこのスタジアムには世界中の人が集まったこともあるんだ!」
(^ω^)「こんなところに、世界中から?」
('A`)「あ!俺知ってる!オリンピックか?」
( ・∀・)「そう!ギリシャの奴!」
(^ω^)「ギリシャ?オリンピック?」
('A`)「俺が言えたことでもないけど、もうちょい先生の話聞こうぜ?」
(^ω^)「歴史の話は面倒くさいお!パズル解いてるほうが面白いお!」
('A`)「数学って言えよ」
( ・∀・)「俺はどっちも好きだけどね」
('A`)「っと、自由研究の制作物でこんなこと言うとダメだな。先生も見るだろうし」
(^ω^)「あとで消しとかなきゃ!」
( ・∀・)「忘れない様にしないとね」
('A`)「まぁ、ここは昔すごい建物だったらしいけど、今や見る影もない。野生動物の住処になってる」
(^ω^)「たぬきとか、サルとか犬とか住んでるお。なんか人も住んでるっぽい噂もあるけど」
('A`)「え?マジ?」
(^ω^)「母ちゃんが言ってたお!危ねぇから近寄んなって!ヤバイやつらしいお!」
('A`)「まぁ鉄パイプで余裕っしょ」
( ・∀・)「猟銃とか持ってるかも」
('A`)「そんときゃ逃げるだけだよ」
(^ω^)「と言うわけで、中に入ってみるお!」
( ・∀・)「は?」
('A`)「へ?」
(^ω^)「その噂を確かめるために、ココに来たんだお!」
('A`)「いやいや」
( ・∀・)「趣旨が変わってるよ」
(^ω^)「ええ~?」
('A`)「また今度だ今度」
( ・∀・)「ねぇ、次は俺が選んでいい?」
(^ω^)「お?全然いいお!」
【トーキョー:駅】
( ・∀・)「駅だよ」
(^ω^)「駅?なんでこんなところが好きなんだお?」
('A`)「何もないじゃん」
( ・∀・)「何もないのがいいんだよ。それに、ここって少し高いところにあるから、こうやって……っ」
(^ω^)「ちょっ!危な!」
('A`)「俺も!」
( ・∀・)「っと、屋根の上に登ると、結構見晴らしがいいだろ?……時刻は16時、外気温30℃、晴れ空が少し白んできたね」
('A`)「確かに、思ったより見えるなぁ……でも、それならもっと高いビルはいっぱいあるだろ?」
( ・∀・)「コレくらいの高さがちょうどいいんだ。こうやって街を見ながら、かつてここが栄えてた頃に思いを馳せるんだ」
(^ω^)「思いを?」
( ・∀・)「うん。今はもう誰もいないけど、昔はこんな駅にも一日何千、何万の人が行き交っていたんだ」
(^ω^)「マジ?大都会じゃん」
('A`)「大都会だったんだよ」
( ・∀・)「国破れて山河あり、諸行無常の響きありだよ」
('A`)「なんじゃそら」
( ・∀・)「昔の歌だよ。どんなに栄えても、人の世はいつか滅びる。けど、山や川はずっと変わらない……そんなセンチメンタルを歌った歌だったかな」
(^ω^)「昔の歌って歌詞短いお」
('A`)「な」
( ・∀・)「いや、これ歌詞の抜粋だから」
(^ω^)「まぁでも確かに、人が居なくなってもこの街はずっと残り続けてるって考えると、なんか感慨深いお」
('A`)「こんないっぱい建物建てたのもすごいよな。俺達だけじゃ何十年あっても無理だぜ」
( ・∀・)「あ、あと、駅のいいところはさ、遠くから来た人に会えるんだ」
(^ω^)「遠くから来た人?なんでだお?」
( ・∀・)「この線路は全国に繋がってるからね。しかも、ほぼ一本道だから迷うこともない。だから、歩いて旅してる人はこの道を通ってくる。
因みにこの道は、トーカイ道って言うんだって」
(^ω^)「へぇ~。じゃあ、お土産とかも貰えるお?」
( ・∀・)「たまにね」
('A`)「マジで?いいな。何が一番美味かった?」
( ・∀・)「うなぎパイ」
(^ω^)「うなぎ?なにそれ」
( ・∀・)「魚だって」
(^ω^)「魚のパイ?ニシンパイみたいな?」
('A`)「あれクソ不味いよな」
( ・∀・)「いや?全然違った。もっとビスケットみたいな」
(^ω^)「魚のビスケット?まずそう」
('A`)「コイツの味覚は信用ならないってことか……」
( ・∀・)「旨いんだって!そんな言うなら、今度食べに行こうよ!」
('A`)「えぇ?どこにあんの?」
( ・∀・)「……西の方」
(^ω^)「絶対見つからないお」
【トーキョー:レインボーブリッジ】
('A`)「やっぱ最後はココだな」
( ・∀・)「夕日をバックにすると映えるね、ここは」
(^ω^)「潮風が気持ちいいお!」
('A`)「めっちゃ古くからあるらしいレインボーブリッジだけど、今はもう橋じゃない」
( ・∀・)「真ん中壊れてるもんね……えっと、時刻は18時、外気温29℃、綺麗な夕焼け空。これは明日もいい天気だね」
(^ω^)「でも、展望台としては一級だお!あと、橋脚の下で魚を釣ると、結構大量だお!」
('A`)「駅で見た風景もいいけど、ココからの景色もいいな。海が綺麗だし、遠くに山も見える」
( ・∀・)「昔は、夜になっても街は明るかったんだってね。レインボーブリッジも、ホントに虹色に光ってたんだよ」
(^ω^)「マジ?電気使いすぎじゃない?」
('A`)「バッテリーとかどうしてたんだよ」
( ・∀・)「発電所っていうのがあったんだよ。そこでめっちゃ電気作ってた」
('A`)「!!発電所を復活させたらゲームし放題じゃね?」
( ・∀・)「むりだよ。燃料がないもん」
(^ω^)「じゃあ、燃料を作るお!」
( ・∀・)「燃料もないよ。地球上から枯渇したよ」
(^ω^)「オワタ」
('A`)「まぁ既に終わってるんだけどな」
( ・∀・)「これは直球火の玉ストレート」
(^ω^)「……さて、オチもついたけど、次はどうするお?」
('A`)「ついたか?」
( ・∀・)「さぁ?」
(^ω^)「釣り講座でもするかお?」
('A`)「いや、今日のところは、もう終わりでもいいんじゃない?」
( ・∀・)「うん。構成とか考えてないから、グダグダだけどね」
(^ω^)「まっ!これで宿題完了だから全部オッケーだお!」
('A`)「待て待て、これをおっちゃんに渡して、タイムマシンで過去に送ってもらうところで完了だろ?」
( ・∀・)「いい感じに編集してくれるよう頼まないとね」
(^ω^)「おっ!じゃあ俺が頼んどくお!」
('A`)「サンキュー、じゃあ頼むわ。」
(^ω^)「任せろ!今まで俺が約束を果たせなかったことがあろうか。いや無い」
('A`)「いやある」
( ・∀・)「果たせないほうが多いと思うんですけど」
(^ω^)「うっせ!」
('A`)「そういや今日の晩飯何だと思う?」
( ・∀・)「ニシンパイじゃない?」
('A`)「俺それめっちゃ嫌い」




