初めての依頼
やっぱり投稿した直後に皆さんきていただいているようで…見てくださる人がいるというのはとてもモチベーションになります!これからも応援よろしくお願いします!
「何でそんな反応なの?やっぱり嫌?」
「え、えーと…その…大丈夫…」
現在私レイ=ベルセリオンは選択に迫られています。冒険者になった以上、魔物を彼と言われることも覚悟していた。
だが、それがこんなに早く来るとは思っていなかった。Fランクの依頼で、ゴブリンを倒せたのかと。ゴブリンは知能が低くて喋れないからまだましなんだけど…
まさかパーティを組むことにこんな罠があったとは…
「じゃあ行こ!受付に提出してくるねー」
「あ、うん」
マジで会話がまともにできない。
「ふぅーー」
深呼吸をする。冒険者になった以上、これは避けられないことだ。諦めてこなそう。
「提出してきたよ!役割は一昨日の試験と同じ感じで、私が遠距離攻撃、レイ君が近接攻撃で良い?」
「分かった。じゃあ行こう」
「いやー楽しみだね。初めての魔物狩り。これまでは冒険者じゃなかったから町の外に出るだけで大目玉喰らってたし…」
「はは…。そうだね。楽しみだ。っと早速お出ましだ」
ゴブリンはその辺にうようよいるモンスターだ。女性が好きでさらったりもするらしい。
「ていやー!」
マーリンが先制攻撃を仕掛ける。だが、やはり魔物は魔物。猪なんかよりも硬く、マーリンの攻撃では仕留めきれなかった。
「か、硬いね…」
「そりゃそうだよ。魔物なんだから。俺に任せて」
そう言って俺は勢いよく剣をゴブリンに振る。するとゴブリンは、真っ二つになって動かなくなった。
「この調子で続けよう」
「う、うん!そうだね」
マーリンは自分よりも俺が圧倒的に攻撃力が高かったことに驚いているらしい。
まあ、普通は近接の方が攻撃力が高いのは仕方ない。でも、マーリンは後衛職の中ではかなり攻撃力が高い。
「俺の攻撃力が高いの不思議?」
「いや、不思議というか…。私よりも攻撃力が高い人な会ったことなかったから驚いたの」
「そう」
「ねえ、帰ったらステータス調べてもらわない?2人で」
「え、そんなことできるの?」
「逆に知らないのー?ギルドに申請すれば自分がどんな職業に向いてるかとか、パラメータとか全部わかるんだよ」
マジか…から受けたらもしかして種族バレる?種族バレるだけならまだしも、龍皇帝であることがバレたら…
「ん。…くん。…レイ君!」
「うわっ」
「そんなに驚かなくても良いじゃない。さっきから変だよ。本当にどうしたの?」
「い、いや本当に何もないから!帰ったらステータス調べてもらおう」
「やった!レイ君がどのくらいの強さなのかも気になるけど、私自身がどのくらいなのかも知りたいんだよねー」
「マーリンさん強いからなー。結構いい感じのデータが出るんじゃない?」
「そうかなー」
「そうだよ。あ、あとゴブリンの弱点は頭じゃなくて腰あたりのところだよ」
「え?そうなんだ。…なんかレイ君って一般常識はないのにこういうことだけすごい詳しいよね」
そりゃそうだよ。自分が魔物なんだから。
「そんことより、さっさとゴブリン狩ろうよ」
「そ、そうだね」
そのあとはサクサク狩る狩る狩る狩る狩る狩るざっと100匹は狩ったよ。こういう系の依頼って、狩れば狩るほど報酬が上がるらしいからね。
「そろそろ上がる?」
「もうそんな時間か。じゃあ帰ろうか」
ギルドに戻ると、結構混んでいた。この時間になると、依頼達成報告や、手に入れたものの売却などでとても混むらしい。
並ぶのは仕方ないので、俺たちは列の1番後ろに並んだ。1時間ほどで中に入り、依頼達成の報酬をもらった。銀貨2枚と、銅貨20枚。日本円でいうと2万2000円。Fランクの依頼だし、こんなもんか。
そんなことを考えていたら、俺はふとある考えにたどり着いたので、マーリンに聞いてみた。
「ねえ、マーリンさんが俺とパーティを組みたいって言った理由ってもしかして俺がFランクだから?Gランクの仕事は薬草採取とかしかないから、魔物狩りたかったとかそういう理由?」
「…………テヘペロ」
「はあ…まあいいけど」
いい感じに利用されてたのね俺…。こんだけ混んでるから、ステータス鑑定は明日にしようと、2人で朝9時にギルド集合にして、帰路についた。