冒険者になる3
1日に1本投稿なんて無理でした…
ゆっくりマイペースに書いていくことにしますw
「だいぶ人帰ってきたね」
「ああ。でも俺たちダントツで1番だったし実技は心配しなくて良さそうだね」
「そうね。これも全部レイ君のおかげだけど」
「いや、ほとんどマーリンさんがやってたじゃん…」
「これにて、実技の試験は終了だ」
あれ?まだ何ペアか帰ってきてないけど…
「イノセントさん、まだ帰ってきてない人たちがいるみたいですけど…」
「冒険者は基本自己責任だ。こちらから探したりはあまりしない。まあ、ここはそこまで強い魔物は出ないから大丈夫だろう」
「はあ…」
随分と大雑把だな…
ぞろぞろと帰ろうとすると、他の人たち、主に試験官のイノセントの顔に緊張が走った。
「全員その場を動くな」
そう言うイノセントが顔を向けている先にはアースドラゴンがいた。
まあ、俺は気づいてたけどね。
アースドラゴンは、人間からしたらかなりの脅威だ。
軍隊の隊1つ全員持ってきてやっとアースドラゴン1匹倒せるかどうか、といったところだろうか。
「イノセントさん、俺に任せてください」
「ば、馬鹿なことを言うな!冒険者にもなっていないお前が敵う相手じゃない」
「じゃあイノセントさん勝てるんですか?勝てるならいいですけど、それよりもギルドに戻って本部に知らせたほうがいいでしょう」
「そ、そうかもしれないが…」
「早く行って下さい!!」
「わ、分かった。増援を呼んでくるまで、どうか無事でいてくれ…みんな行くぞ!」
パニックになっているやつもいたが、無理矢理イノセントが引っ張っていった。
「さーて」
やっと序章で説明した異名について話すことができるな。
ざっともう一回説明すると、俺は龍皇帝と言われている。
その異名の由来は…
「失せろ」
「グルルゥ」
すぐに翼を開いて飛んで行った。
そう、俺の能力は、(龍の命令)というものだ。
ドラゴン系の魔物に対して発動し、自分の発言に絶対服従させるという、自分で言うのも何だが、かなり凶悪な能力。
「…また問題起こしちゃったかな…。まあ、被害が出るよりいいよね」
「ぉーい。大丈夫かぁ」
お、増援が来たようだ。軍の小隊1つ。
って、大丈夫かって…本当の人間だったらやばいだろ。
「あ、はい大丈夫です。なんか威嚇するだけしてさっき帰っちゃいました」
「は?」
隊長っぽい人はすごい、混乱している。
そりゃそうだ。ドラゴンがいると言う報告を受けたから来てみたら、子供がアースドラゴンは帰ったと言っている。
「報告には冒険者志望がアースドラゴンを止めようとしているとあったが…」
「俺は冒険者志望です」
「そ、そうなのか…。とにかく、無事でよかった。後日また詳しい話を聞くだろうから、その時はよろしく頼む」
と言って帰ってしまった。
俺もギルドに向かうか。ギルドに着くと、ザワザワしている。
まあ当然だろうな。試験中にアースドラゴンと遭遇し、受験者がアースドラゴンを引き止めているなんて前代未聞だろう。
「レ、レイ君!」
マーリンが俺に気づいて駆け寄ってくる。
「ぶ、無事だったの?!」
「うん。なんか威嚇するだけして帰っていったから、実際戦ったりはしてないんだ」
「そ、そうなの…」
「お取り込み中悪いが、レイ=ベルセリオン君。事務室へ来てくれ」
誰だこの人。あ、分かった。ここのギルドのマスターだ。
「とりあえず生還おめでとう。そして、ありがとう。君が勇気ある行動をしてくれたおかげで、街に被害が出なかった」
「いえ、反射的に引き止め役を買って出ただけなので…」
「これはお礼金だ」
そういって渡された金額は、実に金貨100枚。日本円でいうと大体1000万円くらい。
「こ、こんなに…」
「そのくらいのことを君はしたんだよ。…そういえば君は冒険者志望の子だったね。君ほど若い子が合格すれば活気が出る。自分でもうかるかもしれないとな」
「そういうものですか?」
「そういうものだ」
それからは少し世間話をして、受付へ戻った。お金の心配はしなくて良くなったけど、この騒動で面接試験は次の日になってしまった。せっかく暇つぶしできると思ったのになぁ。
今回は少し行間を開けてみました。こっちの方が見やすいですかね?