全てはここからはじまった
私は30後半のサラリーマン。
特に面白いことも無く、結婚して10数年が経ち、3人の子持ちである。
仕事では部長を務めるが、年上先輩が多く、役職以下の待遇で日々を過ごしていた。
そんな中、営業の後輩が9月中で辞め、仕事量が増えた私は毎日目が回る仕事量に
振り回されることとなった。
そんな姿を見かねて営業アシスタントという名目で女性を募集したらどうか?と
人事担当者から打診があった。
日々の仕事が少しでも楽になればと思う気持ちと日々のストレスから少し解放されたいという
思いからこの申し出に2つ返事で答えた。
その日からすぐに履歴書が送られてきて、最初の面談となった。
年は20代後半、少し派手目の見た目と何でもやりますの受け答え。
性格も明るそうで、好印象だった。
面接での手応えは良かったが、SPIの点数が平均よりも大きく下だった。
半分決めかけていた気持ちを抑えて、この子にはお断りさせて頂いた。
それから数日して2度目の面談。
こちらはすごく物静か。一人目と同じ何でもやりますの受け答えはあるものの
会話が続かない。
コミュニケーションが苦手な子なのか?
SPIの点数も一人目同様、平均点よりも下で不採用とした。
一人目を合格にすれば良かったのか?迷った。
そこから1週間ほどして、再度2名の応募があった。
今度は大学4年生の年齢。履歴書の学歴も良く、短大卒の子だった。
面接をしてみると、緊張はしているものの、受け答えの内容も的確で
前職を辞めた理由もしっかりしていた。
SPIの点数も平均点よりも良く、とても好印象だった。
4人目も控えていたが、この子で決めることにした。
ただ、他にも面接を受けている可能性もあったので、恐る恐るうちの会社に来てもらえないか?
聞いてみた。
答えは「わかりました。宜しくお願いします。」
それは10月初旬のことだった。