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4話

「起きたら家にいる…なんてことはないか…」


異世界に来たことが夢だったら良かったのだがそう上手くはいかない、当然といっちゃ当然だが。


「結衣を起こしに行くか」


結衣は昔からおきるのが得意ではないため小学校までは俺が起こしに家まで行っていたのだ。


中学からはおばさん(結衣の母親)に起こしてもらっていたらしい、つまりだれかが起こさないと夕方までは寝たままなのだ。


コンコン


「まぁ起きてないよな」


ノックしたが返事がない、それも予想通りだが。


「入るぞー」


部屋の中に入るとやはり気持ち良さそうに眠っている。


「おい、起きろ、朝だぞ」


反応がないため揺さぶってみる。


「う〜〜ん、もう少し〜」


「マスターの知り合いに修行してもらうんだろ?」


「いまおきるよ〜…」


結衣が布団を剥がして起き上がる


「あ…」


さっと顔をそらすがもう遅い。


「〜〜〜〜〜っ」


結衣は下着になって寝ていたのだ。


「いや、落ち着け、見てないぞ?何も見てないからな?」


「うそだっ!」


「いや、ほんと、まじで」


「やっぱり黒の方がいいかな?」


「白のままでいいと思…あ」


「やっぱ見たんじゃん!バカーー!!」


顔を赤くさせながらたたかれ、部屋から追い出されてし

まった。


しょうがなく先に下に降りるとマリアさんが挨拶してくれた。


「おはようございます、祐一さん昨日はよく眠れましたか?」


「おはようございます、とても快適でしたよ」


「それは良かったです、朝食は食べますか?」


「いいんですか?」


「はい、私のおごりです」


「いや、それは悪いですよ!」


「いえいえ、これは先行投資です!」


指を立てながら言ってくる、マリアさんの大きな胸が強調されてる。


「先行投資?」


「はい、お二人はきっと凄い冒険者になると思うのでそうなったらきっと私にリターンが来ると思うので」


なるほど先行投資か。


「アハハ…、それじゃあご馳走になります」


「はい、結衣さんはどちらですか?」


「すぐ来ると思います」


「わかりました、では席でお待ちくださいね」


そう言われ席に着く。


ギルドにいる冒険者の人の数が少ないな、こんなもんなのか?


「お待たせしました、結衣さんの分も置いておきますね」


マリアさんがサンドイッチを持って来てくれた


「ありがとうございます、あの、ギルドっていつもこんな

に人少ないんですか?」


「あー、今日はみなさん働きたくないんですよ」


にっこりと微笑みながら言ってくる。


「なんでですか??」


「日曜日なので♪」


「…なるほど」


それでいいのか冒険者!イメージと全く違うぞ!


だがこの世界にも曜日の概念はあるらしいな。


「本当なら私も日曜日ぐらい彼氏とデートでもしたいんですけどねー」


「彼氏いるんですか?」


ギロリ…とすごい速さで睨まれる。


「なんでもないです…」


失言でした…


「おはようございま〜す」


「あ、結衣さん、おはようございます」


「遅かったな」


「…ふんだっ!」


「結衣さんとなにかあったんですか?」


マリアさんが耳元で聞いてくる。


「いや、まあ、いろいろと…」


「はあ、そうですか、あっ!そうそう、こちらがギルドカ

ードになります」


そう言ってカードを俺達に渡してくる。


書いてあるのは名前、種族、年齢、ランク?


「あの、このランクというのは?」


「冒険者の方のランクです。クエストには受注可能なランクが設定されているのですがご自分のランクより1段階上のクエストまで受けることが出来ます」


ふむふむ。


「お二人はまだ最初なのでFランクからになります」


「ランクはどこまであるんですか?」


結衣がマリアさんに聞く


「最高がSランクですね、Cランクまで行けば1人前と言われています。

このカードは身分証にもなるので失くさないよう気をつけてくださいね!」


そう言ってマリアさんが受付に戻る。


「ランクCで1人前か、先は長いな」


「……」


まだ怒っているようだ


「朝のことは謝るって、なんでも言うこと一つ聞くからさ」


「2つ…」


「ああ、2つでいいよ」


「じゃあ考えとくからね!絶対だよ!」


かなり高くついた気がする…いや、学校1の美女の下着姿なのだから安いぐらいか?まあ、機嫌がなおったならよしとしよう。


「いや〜このサンドイッチおいしいね〜」


確かにうまい、日本のものよりもおいしい。


「日本にない隠し味的なのがあるのかもな」


「じゃあ朝ご飯も食べたことだし修行に行く?」


「そうだな今から向かえばいい時間だろ」


受付にいってマリアさんにお礼を言う。


「お世話になりました」


「いえいえ、修行頑張ってくださいね!」


「はい、ケインさんにもお礼を言いたいのですが…」


「マスターは今本部に行ってるので私から伝えておきますね」


本部なんてあるのか、ここもけっこう大きいと思うがもっと大きい建物なのだろうか。


「わかりました、ありがとうございます」


「ありがとうございました!」


結衣もお礼を言い、手を振りながらギルドを出る


「いい天気だね〜、すぐ着くかな?」


「そうだな、地図によるとここから1時間ぐらいで着くかな」


「よし、じゃあ行こっか!」




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