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「それじゃ、みんなで響子さんの記憶の痕跡を探しましょう」

 根掘り葉掘りとはまさにこのことかと思うくらいに先輩に質問攻めをされて、仔細を響子の記憶と照らし合わせながら、なんとか答えるという短いのか長いのかよく分からない時間、悠は退屈だったのかテレビを見ているし、それらを経ての先輩の声。

 参加してくれるのは正直ありがたいと思う。

 昨日、大見得を切って響子に記憶を見つけてやると宣言したものの、どうすればいいのか分からないのが実情だった。

 よくあるフィクションの記憶喪失から元に戻る方法は頭をぶつける。だけど、幽霊で

 物質に触れることができない響子はどうやって頭をぶつけることができるのだろうか。

 まあ、記憶喪失ではないけど。

 ともかく、言うには言った。助けてやりたいにも本心だけど、俺の馬鹿な頭では方法が全然浮かんでこない。まさに八方ふさがりといった感じだった。

 先輩は多分俺よりも成績優秀で頭脳明晰のような気がするから、なにかしらの方法がすでに頭の中に浮かんでいるのだろう。

 顔を見ているとそんな気がしてくる。希望が湧いてくるような気が。

 それは響子も同じようだった。声には出さないけど、さっきまでとは違う顔が物語っている。

「明日は時間ある?」

 大丈夫です。どうせ暇ですから。そう答えると、

「お昼に学校に集合ね。あ、後、その時には忘れずに同人誌も持ってきてね」

「部室で何かするんですか?」

 記憶のヒントは校内、部室にあるのだろうか。

「違うから。正確には校門の前で集合。部活じゃないから制服でなくても大丈夫だから」

 先輩は一体何をしようというのだろうか?

「あたしも行くー」

 頭に浮かんだ疑問を消し去るように悠が宣言した。



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