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現実世界と魔法少女の交流  作者: 藤崎 紫
7/20

魔法少女 店員になる。~その3~

カノン、店員デビューです。


 カノンがレオンに連れられてお店のホール内に入ったのは開店10分前になるところだった。

既にお店の中はコーヒーの香ばしいにおいが漂い、クッキーやケーキ、サンドイッチも用意されていた。

「お店で作っているものは大抵、店長であるユーリが質を確認しながら調達しているらしい。」

とエーデルから聞いていた。その時の表情は印象的でここまで品物にこだわって、料理の研究するのは私は無理と呟いていた。

(余談だが、エーデルの料理もそこらのお店とは比較にならないくらい、研究したり、産地もうまく選んでいたりする。)


開店5分前になり、開店の最終準備が整ったところで店長が朝礼を行う。

「昨日はホールの要の2人が一気に休んでシャルさんが毒の入ったアドバイスを返したりして、喫茶店は賑やかだったけど、今日からはホールは3人となる。個人個人挨拶は済ませたと思うけど、しばらくこの喫茶店で働いてくれることになったカノンさんだ。ホールの経験はないようだから、フォローよろしくね。

最後にカノンさん、何か一言言って貰えますか?」

 ユーリがカノンに目線を向けると同時に全員がカノンに向けた。

「しばらくこの喫茶店ポニーでお世話になるカノンです。まだ不慣れなところが多いですがよろしくお願い致します。」

 カノンの言葉の反応は拍手で返ってきた。

その瞬間、お店のドアが開き、お客が入り始めた。なぜかこちらも拍手で迎えてくれた。


 お店の客の出入りはあまり変わらない。25席程のテーブルは開店と同時に満員になってしまった。

それでも外で待ってくれている客もいるため、1時間の時間制限を設ける。

 やはり売れ筋は店長が淹れるコーヒーとケーキ(チョコレートは自分の味覚に叶ったカカオの仕入れているところから卸しているらしい。)

 それから、ホールでの接客。喫茶店のイメージは新聞を読む、PCを操作する、交渉相手との交渉場に使うなどがある(フレイベルグの喫茶店のほとんどがコレ)

この喫茶店ポニーに至ってはそれはなくお客同士の談笑や店員とお客のお話の場となっている。

その事もあり、ちょっとしたことでいざこざが出来てしまうことも多々あるのだが、そのいざこざの仲介人がセレスやエーデルだったりする。2人は2人の主張を聞いて、聞いた所から原因を突き止めて和解に持っていく。

 言葉で説明するのはたやすいが実行するのは難しい。最初のうちは店長がこの役をやっていて、2人はその店長の背中を見て、学んだだけに過ぎないのだから。


 お昼になっても喫茶店の長い列は変化しない。やはり原因は新しいホールで働く女の子を見たいというところだろうか。フレイベルグは余所者には寛容な街であり、他地域からの移住者となるとやはり興味が出てくる。そんなことを魔法界で学んだなと思い出しながら、お客の相手をする。

「はじめて見た時から心に響くものがありました。ぜひお付き合いしてください。」

「すみません。私はそういうものは疎いものですから、それに初対面の方にいきなりお付き合いと言われても困ってしまいます。」

 こんな会話をもう20以上やっている。恋愛感情に乏しい彼女にとって、なぜ即断でそんな台詞が出てくるのか頭の中は?で一杯だった。


 その中でふと違う気を感じた。その気を感じつつ、注文を品をお客の席に運ぼうとしたとき、前に座っていた女性の足がカノンの足を狙ってきた。それをカノンは気にしないかのように避けて、品物を届けた。

このお客の嫌がらせはあと5回続いたが、5回とも不発に終わったところでその客は帰ってしまった。

 エーデルは心配そうな顔をしながらもカノンに声をかける。

「カノン、必用に狙われていたけど大丈夫?あの客は女性スタッフを雇うとあの嫌がらせをするのよ。

私もやられたけど、結果は同じ。それよりもひどかったかもしれない。今でも忘れられない(笑)」

「カノン、そろそろお昼休憩よ。お昼は私が用意したのを食べて。セレスが既に休憩に入っているから会えると思うし、後はシャルちゃんとも話ができるかもよ。」

「エーデルさん、彼女はあまりしゃべりませんよね?やはり気を遣っているのかな?年齢差もあるし。」

「それはあるかもしれない。でもカノンとのふれあいで変わるかもしれない。とりあえずは1時間は休憩でその後も続くよ。それではお昼いってらっしゃい」

「はい、お昼いかせて貰います。」とホールのエーデル、厨房のレオンに声をかけて休憩室に入った。

 ここまで読んでくださりありがとうございます。

 ここでの喫茶店はバーに近いイメージですね。違うのはお酒ではなくコーヒーを出している点くらい?かな。店員編の1日はまだ続きます。

 長いと感じるかもしれませんがもう少し大目に見てくれたらありがたいです。

 最後にいつも思うことですがこの作品を読んでくれている人があっての作品ですので、今後も読んで欲しいと感じております。

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