色を操る魔法少女 ~出会いその1~
今回は番外編です。第3話の内容が11時の時と大幅に変更されていますのでこの話を読む前に読んでいただけると、話がつながります。
お茶会も一段落ついて解散となった。
カノンはセレスと趣味の話で盛り上がっていた。
(ちなみにエーデルはその話をキッチンで片付けをしながら聞き、ちょくちょく話に割り込んでいた。)
「カノンは風景を撮るのが趣味なんだ。」
「はい、私の能力が色をモチーフにしたものなのできれいな風景を撮ったり、書いたりするのが好きです。」
ここでエーデルが話に割り込み「ならあそこがいいんじゃないかしら。そろそろ日が落ちる頃合いだから」
「じゃあ出かけてみるかな」そうセレスが言うと出かける用意をし始めた。
エーデルが「カノン?カメラは・・・魔法界のは持って来れない決まりだから無いのよね?ならこれ使って。」
エーデルがくれたのはインスタントカメラ。「使い方はセレスにでも聞いて。私はその間夕食の支度をしてるからいってきなさい。」と言われてしまった。
カノンがリビングから玄関に向かうと既にセレスが待ってくれていた。
「それじゃ、Let's go!!」
元気よく玄関を開けた。
カノンは向かう先がどこかある程度予測できていた。何故なら向かう先には中世に建てられたとおぼしき古城あったからだ。その頂上には展望スペースもある。
時間はちょうど夕暮れどき。
ゴシック様式の要塞のようなお城についた二人は城の中の螺旋階段を上がっていく。
(ちなみにエーデルが来なかったのはこの長い螺旋階段が怖いから。と後から本人から聞いた)
その螺旋階段の先に見えたのは左側が岩肌、右側が街並みで真ん中を生活用河川が流れていて真っ正面に太陽が沈み始める光景だった。
上空を星々がきらめく夜の世界があり地平は太陽の光で覆われ、その2つの境界は混じりあうことのない境界線。魔法界では視ることの出来なかった世界。
セレスはカノンに「ね、来れてよかったでしょ?」と言い、その言葉に私はカメラを切ることを忘れ、ただただこの夕焼けを見続けていた。
いかがだったでしょうか?こういう番外も所々で挟んでいきますのでお付き合い頂けると幸いです。