先輩魔女たちの生活
無駄に多くの設定が入っているのでいつものように読みにくいかもしれませんが、楽しんでいただけたらありがたいです。
根本の設定を崩す内容が含まれてしまい、申し訳ありません。今後は無いよう心がけたいと思います。(7/7)
セレスとエーデルの家に行く道すがら、カノンはトランクを引きながら2人からこの世界でのルールについてレクチャーしてもらっていた。
カノンはこの課題を受けるに辺り、担任であるエリスからフレイブルグという街の話や現実世界について指導は受けている。しかし、それは知識という概念だけであって現在進行形で居住している彼女たちの話はカノンにとって新鮮だった。
一方でセレスとエーデルはカノンから魔法界について(主に協会でのエリスの話)を聞いた。
彼女たちはエリスとは同期で卒業後も手紙のやり取りをするほどの仲なのだそうだ。
(ちなみに魔法界と現実世界の行き来は原則できない。行き来をすることで魔法の影響を現実世界で受けてしまうためである。なので連絡手段は手紙となる。)
ある程度現実世界でのルールを確認+αできたところで、住宅地が見え、ちょうど真正面にレンガづくりの一軒屋が見えた。中心部から徒歩10分ほどである。
セレスはポケットから鍵を取り出して、ドアを開ける。
「カノン、ここが私たちが住んでる家だから。入って!」
と笑顔で促す。セレス、カノン、エーデルの順に入ってエーデルがドアを閉めた。
家の中はシンプルで玄関を通り右側のドアを開けるとリビングでそこにはテレビ、4人用のテーブル、ソファーが置いてあり、奥にはキッチンがある。玄関左側には3つ部屋があり、客人用の部屋と自分達の部屋があるのだろう。カノンはエーデルの指示に従って客人用の部屋に自分のトランクを置いた。
その後リビングの方へと向かった。
キッチンではエーデルがせわしくお茶の準備をしていて、セレスは食器類を出して、クッキーを食器に出していた。
エーデルがカップにコーヒーをそそぎ、テーブルに置いていく。コーヒー豆の香ばしいにおいが部屋に漂う。
セレスはカノンに「私たちのこっちでのお仕事は喫茶店の店員だよ。だから私たちが仕事の時はカノンにも手伝って欲しいのだけどダメかな?」
「そんなことはないです。でも私に出来ますか?」
「カノン、小柄でかわいいから、お店の看板娘にもなれそうよ。」とエーデルがダメ押しで言う。
カノンの顔がほんのり赤らめてコーヒーに口を付ける。
「コーヒー、すごくおいしいです。苦みの中にもコクがあって、口当たりがいいです。」
エーデルは笑顔でありがとうと返した。
セレスが「クッキーは私が焼いていて、お店でも結構人気なんだけど食べてくれるかな?」
カノンはクッキーに手を伸ばし口にくわえた。その食べ方はまるでくるみを食べるリスのようにかわいいものだった。
カノンは「クッキーの方は甘さは控えめなんですけど、中に入っているくるみがクッキーに香ばしさと新たな食感を与えていておいしいです。」
カノンが感想を言い切ると、2人ともカノンのかわいさに悶絶していた。
なんとか冷静さを戻したエーデルが「気に入って貰えて何よりだわ。」と返した。
そんな開幕から始まったお茶会もいよいよ佳境になってきたときにカノンは最大の疑問を彼女たちにぶつけた。
「なぜ、セレスさんとエーデルさんは現実世界で暮らそうと思ったのですか?」
この問いにはすぐ返答が返ってきた。
「それを知ることこそが、この世界で生きて得られるものが何か探し出すのが貴女の課題よ。」
最後まで読んで頂きありがとうございます。
7日11時台の最初のバージョンを読んでくれた方には深くお詫び申しあげます。
次話はいよいよ現実世界での人間が登場する予定です。
評価・コメントなどありましたら、よろしくお願い致します。