「校長追放作戦」
その夜、私は保護者立会いの元、教頭先生と一緒に「校長追放会議」を開いた。目的はただ一つ。校長すなわち公務員という仕事から追放することだけ。今は浅居なんて構っている暇はない。
教頭が入ってきた。
「え~。この度はわが校の校長が不適切な発言をして誠に申し訳ありませんでした。そのため今回、中立の立場でなければならない教員ですが、このような会議を開かせていただきました」と挨拶をした。
私はただ、黙り込んでいた。本当に校長を追放してよいのだろうか?という感情が巻き起こる。
「あ、あの…本当に追放して良いのでしょうか?」と私が教頭に質問すると「あのような、事実を隠蔽するような校長はあってはいけませんから良いんです」と回答を得た。
「それでは会議を始めます。まず最初に、どう追放するか。いくつか案を出します」教頭が提示した案それは…「①裁判を起こす。嘘の証言をしたことによる虚偽罪の可能性があります。②ジリジリ責めて教員を辞めさせる。こんなところでどうでしょう?」教頭が提示した案はそれだけだったが、私と、私の親の考えは同じだった。それは「教員を辞めさせても賠償金などはないから、裁判を起こす。」という考えだった。
「…裁判を起こします。」そう口を開いたのは母だった。「裁判ですか。裁判に掛かる費用はこちらで負担いたしますね。」
そして、裁判所に訴え…裁判を9月に控えた。着々と校長が虚偽の証言をした証拠が集まり、準備万端だった8月のある日。
『プルルル…』家に一本の電話が掛かってきた。
「もしもし。こちら青光学園高等学校 校長です。この度は虚偽の事実を述べてしまい申し訳ありませんでした。」と校長が言ったが、母はすぐに電話を切った。今更何の用だろうか…私は不思議な気持ちを抑えられない。
しかし今度は…家のチャイムを何度も押す校長が家の前にいた。母はすぐに警察に通報し、校長は警察に現行犯逮捕された。
罪名は「ストーカー規制法違反」同じく9月に裁判を控えた。
さぁ。校長の件が終わったら浅居はどうしようか?また嫌がらせをしてくるに違いない。ただ今は校長と真っ向から戦うのに集中するだけ。
校長が変わったら学校も何か変わるかもしれない。
-そんな気持ちを胸に会議が終わった-
Step9「校長追放作戦」
今日は初めてイラスト入れてみました!