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あれから

作者: 白萩アキラ

あれから三年経ってもこの場所では

今日も僕らは泣いて笑っている

テレビの画面の向こうに映っている

愛する命を失った人々の中には

僕自身が知っている顔もある

今僕が息をしているのは

ほんの紙一重の運によるものだと

そう思うと動悸が激しくなってしまう

当然その命に差なんてなかった

自分が助かったからといって

神に感謝なんてしようとも思えない

誰もが人生を歩んでいた

生まれた日や名前の由来

初めてしゃべった言葉や初めて歩いた時

入学と卒業に初恋や失恋

出会いも別れもあり

誰もが思い出を持っていたはずだ

その人生が千を超えて唐突に失われた

それも僕の日常だったその場所でだ

どうして僕は生きているのか

暗闇にいると深く考えてしまう

そして命の不安定さに震えるんだ

しゃんとしなければならない

逞しく生きていかなければならない

そうしなければ申し訳がない

何度もそう決意した

しかし常にその重みを感じることは出来ない

重圧と共に恐怖が襲って来るからだ

思い出すのは辛い

けれども忘れたくもない

あれから三年経ってもこの僕は

夜は震えてばかりいる

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