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疑問

永遠の疑問

作者: 酒井順

ある脳の中に先生と生徒がいた。

生徒は、疑問を持つ質問する者だった。

先生は、質問に対する答えを探す者だった。


 生徒の名は、「疑問(Q)」と言った。

 先生の名は、「考察(S)」と言った

第1話 時間


Q「先生、いいですか?」

S「今晩は何かな?

  君と話してると退屈しないね」

Q「それ、どういう意味ですか?」

S「時間が早く過ぎるような気がしてね。

  楽しいって事かな?」

Q「あれっ、今晩の疑問は時間についてですが…

  どうして分かったのですか?」

S「えっ、そうだったの?

  僕ぐらいになると、分かっちゃうんだな」

Q「まっ、いいか。

  時間は、物質が動くから発生するのでしょう?」

S「あれっ、疑問じゃないの?

  答えを僕に確かめているの?」

Q「違います。

  疑問は、次です。

  空間は、何で出来ているのですか?」

S「そりゃ、空間からでしょ」

Q「答えになっていません」

S「物質じゃない事になっているね」

Q「それも、答えになっていません」

S「じゃぁ、これは?

  3つの座標軸から出来ている」

Q「先生。

今晩は、冴えがありませんね」

S「むっ」



第2話 空間と時間


Q「先生。

  お昼ですよ」

S「あれっ、朝6時くらいに目が覚めたのに。

  そうか、寒いから2度寝したんだ」

Q「それは、いいですけど。

  疑問です。

空間と時間の関係を現わす法則はあるのですか?」

S「う~ん。

  ちょっと、思いつかないなぁ。

  でもね、時間の流れの事を時系列と呼んでいるらしいよ。

  空間を空間系体と呼ぼうか?」

Q「何か、意味あるんですか?」

S「ごめんなさい。

  ただの思いつきです」

Q「時系列は、意味を持つんですか?」

S「おっ、いい質問だね。

  地球上では、意味を持つよ。

  僕達も歳をとるよね。

  そして、いつか死ぬよね」

Q「…哲学の話になるのかなぁ…」

S「期待を裏切るようだけど、違うんだ。

  今ね、永遠はあるのか?無いのか?

  考察中なんだ」

Q「やはり、哲学になりそうだ。

  先生は、空間については何も考えていない。

  いつも、分からなくなると話を逸らすからなぁ」



第3話 永遠


Q「空間の話は、タブーにしますから。

  時系列の話を聞かせてください」

S「時系列もよく分からなのだ。

  ただね、それは連続体らしいよ」

Q「駄目だ。

  このままだと、話しに纏まりが無くなる。

  いつもの先生の悪い癖だ。

  …

  よしっ、

  先生、時間は物質が動くから発生するんですよね。

  そうだとしたら、時系列は、物質毎に存在するんですか?」

S「考え方の問題もあるけど、厳密に言うとそうだね。

  でもね、地球上だけで考えると意識しなくていいほど、

  時系列は同じなんだよ」

Q「意識?

  同じ?」

S「あれっ。

  僕達も死ぬよね。

  その後、どうなるんだろう。

  少なくとも、肉体は分解されるね。

  僕達に時間が無くなるね。

  何か残るのだろうか?」

Q「僕達が死んだ時、僕達の時系列も存在しなくなる?」

S「そう。

  うん、永遠の答えが見つかったかもしれない。

  時間が存在しなくなったら、永遠も存在しないよね」

Q「予想通りだ。

  全然、纏まりが無い」

S「ごめんなさい。

  次は、ゼロの話をするね。

  これも、纏まりがないけど、1つの取っ掛かりだと思って聞いてね。

  その前に、ちょっと意識の話をしておこうか」



第4話 クオリア


Q「意識って、物質なの?」

S「そうだという人もいるよ。

  そうじゃないという人もいるよ」

Q「僕は、物質かもしれないんだ」

S「待って。

  そんな簡単な問題じゃないよ」

Q「そうだよね。

  よかった」

S「いい機会だから、物質じゃないものを列挙して見ようか。

  空間・座標軸・構造・数・形・順番・組み合わせ・確率…

  切りが無いね。

  でもね、今列挙したのは、物質を構成する環境みたいなものだね。

  次は、本当に分からないものを列挙して見よう。

  命・心・本能…

  止めよう。

  話が纏まらなくなる」

Q「先生、偉い。

  ようやく、気付いたのですね」

S「うん?

  今ね、科学者達は、本能は遺伝子に組み込まれていると思っているらしいよ。

  でね、心とか精神の研究も進んでいるらしいよ」

Q「へぇ~。

  じゃぁ、命は?」

S「命は、分からないね。

  でね、脳の研究があるのだけど。

  脳の全てが解明されれば、精神も解明される。

  と、言う人と、それでも分からない物が残ると言う人がいるのだ。

  その残るものをクオリア(感覚質)と呼んでいるらしいよ」

Q「どっちの人もだけど、何か根拠を持っているの?」

S「分からないけど、そう考えて研究しているのじゃない。

  面白かったのは、クオリアは無いと主張している人の反論なのだ。

  クオリアの存在主張は、ただの直感だって。

  直感は、何でできているのかな?」



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