知りたくなかった真実 ~回想~
カレン「…だいぶ怪我も良くなってきたことだし、ちょっと出てみようかな。」
あの日…怪我が完治したわけではなかったが、とりあえず動けるぐらいにはなったので
体を慣らす為に、松葉杖を突きながらだったが…部屋の外に出てみた。
数日間動いてなかった分、数分ぐらいは大変だったが、案外慣れるのも早かった。
しばらくすると、杖を使わなくても歩ける様になった。
カレン「…そう言えば、ガーネットやアニーとかの女子はよく来たが…
レットとかの男子や、紅蓮は全然来なかったな…」
そう思い、ちょっと顔を見にいこうと、皆を捜しに行ってみた。
カレン「さてと…ん?」
一つの部屋から…紅蓮の声がした。どうやら皆が集まっているようだ。
カレン「…何話してるんだ?」
今思えば…ここで何も思わずに、此処を通り過ぎれば…何も知らずに済んだのだろう…
興味本位で…耳をすまし話している事を聞いた。
アニー「…カレンさんの件、どうしますか…?」
シャーマ「どうする…って言ってもな…」
…私のことを話しているのか?
日向「いつまでも、隠し通せるわけじゃないでしょ…」
炎斗「…いずれ、現実を受け止めるしかない…所詮そんなものだ。」
レナーテ「…ふーちゃん、この事は何も知らないんだよね…」
ブレイ「…ルビーが最後にかけた、術でね。…いつまで持つのか気になるけど。」
フィー「ファイ…」
ファイ「…」
…一体何を私に隠しているんだか…
レット「…アイツはまだ…俺よりも…2歳も子供なんだろ…?」
…レット?
紅蓮『…ああ、受け止めるには辛過ぎる…けどな…』
レット「ただでさえ…俺でも受け止めきれてないのに…ッ!! アイツに言えるか!?
──『奴等に操られていたときに、止めようとしたルビーを襲った』なんて!!!!」
…え? 今なんて…
カレン「…ッ!?」
突如、ひどい頭痛に襲われた…同時に…
『ごめんね、カレンちゃん…See you soon again!』
…最後に見た、先輩の姿…あの台詞…全てを思い出した
カランッ
レット「…?」
あの時…あんなことをした自分が怖かった。まるで、自分ではない…全くの別人のようで。
最後の『カランッ』って部分、分かりにくいですが…松葉杖を床に落とした音です。