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2,誘拐!?デート!?

初めて乗ったバイクの後ろ。


後ろでも十分、スピード感が味わえて、正直・・・怖い。

しかも、ヘルメットが和・・宮田先輩の背中に当たって少し痛い気もする。



もぅ・・・何なのよ。

あたしは勉強途中なのにっ!!

いくら、明日が土曜で学校が休みだからって・・・。



そんなことを考えていたら、バイクが突然止まった。

ブレーキのかかった衝撃で先輩の背中に軽く頭突きをする形になってしまった。



『危ないから、俺にしっかりつかまってて』



止まった理由は赤信号。

彼は後ろを振り向き、服を軽く掴んでたあたしの腕を前へ引っ張る。



「わっ!!ちょちょちょちょっとっ!!!!」


『じゃあ、もうすぐ着くからこのまましっかりとつかってろよ』



青信号に変わり、先ほどと同じスピードで再び走り出したバイク。

あたしはというと・・・。

腕を引っ張られたせいで、先輩の腰よりちょっと上にしがみつくような姿勢になってしまった。


あああありえない・・・・!!!!

これじゃあ、まるで・・・・。




【彼氏のバイクに乗せてもらってる彼女】じゃない!!!!



あぁぁぁぁぁぁ!!!!もうっっっっ!!!!

なんか、ドキドキしてきちゃったじゃん!!!




バカ、宮田。




あたしがそんなことを考えているとは知らずに走り続けていたバイクが止まった。



『着いたよ』


被っていたヘルメットを脱がされ、風でボサボサになった髪の毛を手ぐしで整える。

その様子を先輩はニコニコと見ている。


何だか少し、恥ずかしくて慌てて言葉を探した。



「・・・・誘拐」


ボソっと小声で言ったのが聞こえたのか、先輩は怪訝そうな顔を浮かべる。


『お前なあ・・・もう少し、まともな感想ないわけ?』


口調は怒っているように聞こえるが、表情は苦笑しているカンジにも思える。

そんなこと言われても・・・・。

実際、誘拐されてきたようなもんだし。



「てか、何で・・・海?」



あたしが連れて来られた場所。

それは地元の海で夏には賑やかな海水浴場。

だけど今は、誰もいないし、真っ暗だし。まぁ月が出ているから、月明かりで海がキラキラ輝いている。



『う~~ん、やっぱり、若者のデートっつったら、海かなと』


照れているのかわからないけど、苦笑いで頭掻きながらさらっと言う。


「え~~~~~~~~~~~!!??ででで、デート!!??」



意味不明。果てしなく意味不明。

何でいきなり現れて、誘拐されて、海来て、デートになってるの!?


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