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始まり
『久しぶり』
真夜中。といっても、午前1時すぎだけど。
小腹がすいたのと息抜きのために、あたしは徒歩5分ほどのコンビニへ出かけていた。
メロンパン(好物)とイチゴミルク(好物)を買って、家へ向かった。
公道沿いにあるコンビニから一歩左の路地を入ると、薄暗い住宅街へと姿を変える。
あたしの家はその住宅街にある一つで街頭が規則正しく並んでいるから、こんな夜でも道は明るく照らされている。
怖くはないけど、自然と足早に家路へと向かっていた。
(あれ?うちの前に誰かいる??)
今は度数のあまり合っていない眼鏡をかけていて、暗い中では良く見えないけど・・・。
でも確かに、うちの家の前に二輪自動車に寄りかかりながら立っている人がいる。
(お姉の彼氏??)
あたしは、恐る恐る家へ近づいた。
『久しぶり』
え?
『俺が中学卒業して以来だから・・・5年ぶり?』
な、何で・・・。
どうして・・・この人が・・・。