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閑話 桃花視点

後日談


 なぜ茜先輩と晴人くんは現場に居合わせたんですか?柚葉が聞くと茜先輩があぁと言って話してくれた。

 どうやら茜先輩と晴人くんは新入生の勧誘で外にいたらしい。その時、柚葉とそっくりさんを見て気づいてくれた。茜先輩には恋の話をしていたことがあったし、晴人くんは一回奏と会っている。すぐに行動に移せたということだった。


 あれ、でもどうして奏が入学していると分かっていたんですか?柚葉が再度聞くと今度は晴人くんが答えた。

 なんでも入学式でずっと柚葉を見て、ずっと晴人くんを睨んでいる奴がいるから気になっていたら奏だったということだった。


 気が付かなかったぁ、奏ったら何やってるの。柚葉は苦笑いした。


 ――――――


 柚葉が去った後、桃花は1人で家に帰った。

 そのまま、柚葉の部屋だった場所に向かう。ベッドにドサッ腰を下ろし、爪を噛んだ。


奏「これ以上、柚葉に執着するな。」


 桃花は否定出来なかった。

 奏ちゃんが好きって言えなかった。

 もっと大好きな柚葉がそばにいたから。


 小さい頃から柚葉と一緒にいた。

 柚葉はいつも褒められて桃花にとって自慢の姉だった。

 桃花が泣けば柚葉が助けに来てくれる。

 柚葉の目には桃花だけが映ればいいんだ。


 そう思っていたけど、柚葉が急に桃花を見なくなった。

 奏を見ているからだ。

 柚葉は奏を見ていること隠していたけれど、桃花はずっと柚葉を見ていたから気付くに決まってる。

 もう一度、柚葉に目に桃花を映してほしくて、柚葉の一番になりたくて、恋路を何度も邪魔をした。


 高校生になって柚葉がいなくなって毎日遊び歩いた。どこかに桃花のぽっかり開いた胸を埋めたくて友達をいっぱい作ったし彼氏を何人も作った。

 だけどダメだった。だれも柚葉に敵わない。

 気付くと友達も彼氏も桃花から去っていった。


 ある時、奏が家にやってきた。リビングのドアが閉まってたから音だけを聞いていた。


「柚葉の進学先を教えてください。」


 奏はパパに頭を下げていた。パパは少し考えた後、奏に柚葉が行く大学名から学部まで教えた。

 桃花には到底行けっこない。

 柚葉に会う口実を探した。


 奏ちゃんの入学先はパパが行っていた柚葉の進学先と同じだった。入学式に行きたいと奏ちゃんに言えば絶対断られる。桃花は黙って着いていく事にした。


 柚葉と会って、同じ顔なのに前と全然違う人になってて。寂しかった……。

 私をもう一度見て。前みたいに笑って、そして桃花のことを許して。お姉ちゃん。


 桃花はひっそりと誰にも知られることなく嗚咽した。


 

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