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第十三話 柚葉視点

16歳春 球技大会


 柚葉は半年経っても奏に連絡出来ないでいた。

 何を話せばいいのかわからない。 


 一方で高校生活は充実していた。

 柚葉の高校には球技大会がある。バスケ、バレー、サッカー、バドミントンと4種目の中から1種目選ばなくてはならない。柚葉の高校はいくつもの運動部が強豪だけあって球技大会は盛り上がる。クラス一丸となってTシャツを作ったり、他の種目の応援をしたり、とにかく皆んなが本気で挑む。

 そして3種目の合計で優勝クラスが決まる。バドミントンだけは球技ではないとの理由で除外されている。

 柚葉は怪我を理由に1年の時は応援だけだったが、2年は絶対参加だ。実は運動音痴な柚葉は迷わずバドミントンを選んだ。

 バドミントンはダブルスで、一緒に組んだのはキラリちゃんだ。キラリちゃんも全くやる気がない。よかった。


「柚葉。バドミントンのユニホームお揃いにしよ。

 今日、駅ビルに買いに行こうよ。」


 柚葉は喜んで快諾し放課後キラリちゃんと買い物に出掛けた。キラリちゃんは名前通りの女の子で、歌手を目指し、頭はピンク色にしている、とても目立つけれどいつも堂々としている。

 キラリちゃんが選ぶユニホームは蛍光色のオレンジや黄色でさすがに柚葉ももう少し地味にして欲しいと懇願した。結局2人が選んだユニホームは白地のノースリーブと紺のスコート だった。最後に赤いシュシュを買って、ポニーテールをしようねと約束した。

 当日、柚葉とキラリちゃんの試合には大勢の男子が集まった。キラリちゃんはもちろんのこと柚葉も男子から人気があったのだ。

 柚葉とキラリちゃんがポニーテールで短いスコートをはいてることで男子が興奮している。男子の興奮が悪い野次に変わった。柚葉をピンクと指差して喜んでいる。

 どうやら汗をかいた柚葉のノースリーブから下着の色が透けて見えるらしい。皆んなが柚葉の胸を意識するようになった。これでは試合どころではない。柚葉が困っていると、


「柚葉!」


 晴人くんが突然コートに入ってきて、柚葉に自分が着ていた水泳部のジャージを羽織らせた。そして晴人くんがジャージのチャックをあげた。

 柚葉はありがとうと伝えたが、晴人くんの怒りは収まらず野次を飛ばした男子を体育館から摘み出した。


 試合結果はというと、相手チームの男子2人が故意に柚葉の胸やキラリちゃんに向かってスマッシュをしたため反則負けとなった。


 男子って何でこうなんだろ。

 柚葉は翌日洗ったジャージを晴人くんに返した時、晴人くんの顔に絆創膏がついているのが気になった。

 試合中にケガしたのかな。晴人くんたちが野次を飛ばした男子と一悶着あったのを柚葉は知らないままだった。

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