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兄貴の最初の彼女

恥ずかし過ぎて死ぬかと思った…


両親とあんなに仲良く歩いたのいつぶりだろ?うちの家族は俺と兄貴が社会人になってからも仲良くて、よく家族旅行とかも行ってたけど、手を繋いで歩いたのは、まさに小学生ぶりかもしれない。


今は、入学式も終わり1年生のクラスに行って、先生の話を聞いている。


ケイコ先生。当時は怖かったけど、今から考えると俺たちのことよく見てくれてたよな。


「では皆さん!まずは自己紹介からしましょう!これからお友達になる子もいるでしょ?自分のことを伝えましょう。」


そこからは子供達の大きな声で自分のことを伝える自己紹介というか大声大会みたいな様相であった。


そして…


「じゃあ、次は出席番号23番、瀧川大輝君。」


「はい!瀧川大輝です。皆、今日から僕達の小学校生活が始まります。これから6年間仲良く楽しんでいこうね。よろしくね。」





…子供のテンションの高さにはついていけない。男女の違いがあまりない6歳児たちは授業などそっちのけで廊下にでていってしまう。


「直人くん!!戻ってきて。大翔くん!貴方もよ。」


「「うわぁーーー!!」」


ったく…仕方ねぇなぁ…


「ケイコ先生。続けていてください。あのバカどもは僕が連れてきますので。」


「大輝くん?席に座っていて。私が呼んでくるから。彼奴等はどうせかくれんぼでもしてるはずですので…」


小学生の頃、そればっかやってたアホな奴らだし。


「何でそう思うの?」


「…たぶんそうじゃないかって。じゃあ、すぐに戻るので。」



俺は、アホどもをすぐに見つけ出すと、ワーワー行っていた奴らふたりとも手をつかんでクラスに連れてきた。


「ケイコ先生。連れてきました。」


「ありがとう。大輝君は偉いよね。」


「こんなの普通です。」


少し淡白すぎるだろうか?でも、精神年齢が20代後半の俺に小学生のマネ事はできない。



それからも学校の説明とか色々とやって、小学生生活1日目は終わった。終礼が終わり皆が勢いよく帰っていく。校門に親御さんが待っているのだ。


俺もすぐに帰ろうかと思ったが…


「ケイコ先生。」


「大輝君。どうしたの?」


「図書室って今日から利用できませんか?」


「ごめんね。明日、その話をしようと思ってたの。」


「そうですか…」


俺はわざとらしく残念がる。


「本が好きなの?」


「はい!」


「なら、特別に借りてもいいわよ。案内してあげるからついてきて?」


「はい!」




ケイコ先生について、渡り廊下を通り職員室塔へと入っていく。一階には放送室と職員室が。2階にはパソコン室と多目的ルームと図書室。3階には音楽室がある。


懐かしいなぁ…卒業してからは中々行く機会がなくていけてなかったから、どれもが本当に懐かしい。


「さぁ…ここが図書室よ。」


「わぁ…凄い!本がいっぱいだ!」


なんて恥ずかしい反応…。でも、小学一年生ならこれくらいオーバーのほうがそれらしく見えるよね?


「ケイコ先生?その子は…」


「ごめんなさいね。1年生は明日からなんだけど、この子が本が読みたいって言うから。」


「へぇ~。偉いのね。」


そう言ってしゃがんで俺の事を撫でてくれた女子学生。高学年の方みたいだけど…この人どっかで見たことあるんだよなぁ…


「雪さんもずいぶん早いのね?」


「入学式の日って特にやることありませんし、ここにいれば勉強もできますし…」


そうか!雪さんって兄貴の最初の彼女になった白川雪さんだ。めちゃくちゃ綺麗で、頭も良い上に俺の事をめちゃくちゃ可愛がってくれたからよく覚えている。


「おねぇちゃん。雪っていうの?」


「そうよ。」


「雪ねぇちゃんだね!!」


俺はてくてく歩いて、係エリアに入り、雪さんが取り組んでいた宿題を見る。図形の計算か。算数までは好きだったんだけどなぁ。


「大輝君。雪さんの邪魔しちゃだめよ。ほらほら本を選びましょ?」


「雪おねぇちゃん。」


「ん?」


「だっこ!」


「え?」


「だめ?」


雪さんは最初は驚いたようだったけど、流石、小学一年生の力。ほほ笑みながら、抱っこして自分膝の上に座らせてくれた。


「ケイコ先生。私は気にしませんので。この子、裕翔くんの弟さんですよね?」


「そうだけど。わかるの?雰囲気は違うけどなんか似てるので。もしよかったら、この子は私が見てるので、この子の親御さんにここにいることを伝えてもらえますか?」


「そう?なら、そうさせてもらいましょうか。大輝君。雪さんの言うことよく聞くのよ。」


「はい!」




ん?計算式間違ってる。ここで教えるとびっくりされるかもしれないけど。少しびっくりさせてみたい。


俺はコテンと雪さんの方を見あげると自然に気づいたのか、


「どうしたの?」


「おねぇちゃん。ここ数字間違ってるよ?」


「え?」


「ここが…だから…ってなるから答えは120㎡だよ。」


「…ホントだ。難しい漢字もあるのに何でわかったの?」


「漢字はわからないけど、おねぇちゃんが書いているこれを使うと計算が違うんじゃないかなぁ…って思ったの。」


「…大輝君は凄い賢いのね。偉い偉い。」


抱っこしてもらいながら、頭を撫でてもらう。これ…いいな。

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