48、探す
ぼくと彼女の出会いは、町での偶然の出会いだった。そのまま、食事をして、情事を楽しんだのち、住所も電話番号もわからないまま別れた。とてもきれいな人だった。
これは致命的な失敗だといえる。一夜限りだという意味なのか。しかし、「また会おうね」と会話した。
ぼくは、女性とお付き合いすることに慣れていないため、住所や電話番号を聞くくせが身についていないのだ。
どうやって再会するのだ。あんなにうまくいった出会いのつづきができない。
彼女との情事は素晴らしいもので、彼女の裸のまんまるおっぱいを見た時は、人生の喜びを見出したが、一度きりでは満足度も低い。一ヵ月はじっくりとやりまくらなければならない。そして、ヒキコモリのぼくでは育てられないから、生まれてきた子供を堕胎するということになる。
誰か親切な人が事情を察して、彼女との出会いを段どってくれればいいが、男子家を出れば七人の敵がいるので、そんな親切はまず期待できない。
また、町で偶然に出会うしかない。
彼女と同棲できていれば、相思相愛の仲になり、一年もすぎるとマンネリ化したセックスに飽きて、調教というプレイを始めるものだと聞いている。そんなことができれば、とても楽しい人生ではないか。
彼女は見つからない。急がないと別の男にとられてしまう。彼女はとてもきれいな人なので、需要が大きい。競争はきっと激しい。
今ならわかる。ぼくは運が悪いんじゃない。がんばっていないわけでもない。絶好の機会をみすみす見逃してしまう愚か者なのだ。
乱交パーティーの誘いも断ったな。二度も念入りに誘いに来てくれたが、断った。あの時は、呆っとして、乱交パーディーへのがっつきがなかった。十歳は年下の若い女との遊びも行かなかったな。なぜか、行かなかった。理由は自分でもわからない。三十代の女の子との付き合いも断ってしまったな。なぜ断るんだ。ぼくはバカか。四ヵ月、同じ建物で、女の子を誘いに行ける状況を準備してもらったが、誘いに行かなかったな。毎日、必死に本を読んでいると、読書がはかどってしまって、女の子のところへ行くのを忘れてしまっていたんだ。本当に愚かだった。人生でこれだけのチャンスがあった。それを不意にしてしまった。
我が国は、ちゃんとしていれば、がんばったものにはこれだけの女遊びをさせてやる国なのだ。ぼくは若い頃、かなりがんばったから、これだけのチャンスがあった。それをぜんぶ不意にしてしまった。どうなんだ、ぼくの人生。
後悔でいっぱいだ。バカだった。
死に物狂いでがんばり、女の子との遊びは呆っとしていたので縁がなく、引きこもって猛烈に後悔している晩年を迎えて、もうこの先は地獄しかない感じである。




