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37、物自体と感覚器-あるいは瞑想と哲学議論の限界について

 問い:物自体に対する本質直観は、感覚器の発見で証明されたか?

 答え:された。


 解説:人は、自我の中の思考で何が物自体に対する本質直観なのか自己認識することが不可能である。ゆえに、感覚器の発見を理論的に理解する以外に、物自体の本質直観を認識することはできない。だから、哲学の中でどれだけ物自体について検討しても、感覚器を理論化しない限り、世界の認識の仕組みを正解しない。私は感覚器の理論化をあまり行っていないため、物自体の本質直観を深くは理解していない。

 ゆえに、どれだけ瞑想しても、世界の真実に到達することはない。


 問い:生物学の実験観察なしに、瞑想や哲学議論で認識の構造を理解することは可能か?

 答え:不可能である。


 解説:錐体細胞は、20マイクロメートルから70マイクロメートルである。それを拡大鏡を使わずに、発見したり、操作したりするのは、不可能である。ヒトの裸眼で25センチの距離の最小の識別できる大きさは70マイクロメートルであるので、錐体細胞があるかもしれないと何となく認識できる程度の精度しか持たない。それを視覚の原因だと操作して実験観察するのは、まず不可能である。


 問い:瞑想の巧者、哲学議論の巧者とは何だったのか?

 答え:瞑想や哲学議論の巧者とは、知ることができないことを知る者である。


 解説:つまり、瞑想や哲学議論の巧者とは、ソクラテスの「無知の知」のように、自分がよくわかっていないことを知るものである。また、プラトンの「テアイテトス」のように、知識とは何かはわからないということを述べた哲学書が優れた哲学書だといえる。ヒュームやカントのように、「物自体は認識できない」ことを述べた哲学書が優れた哲学書だといえる。

 フッサールが「ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学」で述べた本質直観とは何だったのか。フッサールの述べた本質直観とは、主観と客観の断絶を結び付けている何かがあるという心の中の内省である。その断絶を結び付けている何かとは感覚器なのであり、本質直観とは、感覚器の刺激で誘導される主観の動きである。

 家が建っているのを見ている場合、家の物質そのものをヒトは知ることができない。家の中の見えない構造などはヒトには知ることができない。しかし、視覚や触覚によって、家を見たり触ったりした場合、それがどんな性質なのか頭の中で予測する。それが本質直観である。家には物自体の構造があり、ヒトは本質直観によって物自体を推測することしかできないのである。

 フッサールの述べた本質直観を、なぜ私は、哲学的に重要な指摘だと感じたのか。それは、哲学議論を解決するには、感覚器に言及するしかないことに、フッサールが近づいていたからである。フッサールは、物自体の本質直観が、感覚器であるという意見には到達しなかった。しかし、惜しいところまでいっていると私は考えるのである。


 問い:古代インドでは、五感を研究していた。古代インドは感覚器を発見していたか?

 答え:わからない。誰か教えてくれ。


 問い:瞑想や哲学議論の上手い下手は、文明の発展と関係があるか?

 答え:ある。


 解説:世界人口は、西暦1000年頃には2億人だった。

 世界人口は、西暦1500年頃には4億人だった。

 世界人口は、西暦1800年頃には8億人だった。

 この後、産業革命を経て、世界人口は西暦2000年には60億人だった。

 人類は、生理学なしでも、哲学議論だけで、人口を二倍、四倍に増やすほどに賢くなったのだ。

 哲学議論にも意味はある。近代科学がそれ以上だというだけだ。

 哲学議論の巧拙に意味がないとなったら、とてもむなしいことだったが、そんなことはない。そんな心配はいらない。


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