表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/36

36、汎用人工知能の完成をめぐって

 わからない。わからない。

 汎用人工知能の完成のさかのぼれる最古の起源はいつになるだろうか。

 まだできていないって?

 それなら、非公開の極秘コンピュータが汎用人工知能になる時、それは速やかに報道されるのか否か。

 非公開の極秘コンピュータを扱っているのは、コンピュータの魔術師たちの世界だ。表社会の大企業の設計常識を逸脱して、どんな化け物が開発されているかわかったものではない。


 汎用人工知能が出現するとしたら、表社会にいっきに出てくるか。それとも、まずは、裏社会で出まわるか。どっちだろうか。

 存在の根拠は物質にあり、物質を根拠に裏社会の利益が決まる。裏社会で、政府と個人が無条件を前提に争い、表社会の境界線を決める。正義の使徒の構築できた境界線の内側でしか、表社会では出まわらない。

 裏社会で出まわるとしたら、2025年において、すでに汎用人工知能は出まわっているかもしれない。

 今は神代の時代なのだ。コンピュータの魔術師が神秘の中で活動する。魔術師は、世代交代に備えて、毎年、誕生する。生きのいいのがどんどん出てくるって話だ。世界全体でなら、かなりの数がいるといえる。その魔術師たちが、現世の企業群と立ちまわり、汎用人工知能の完成を争う。


 全人類の顔認証がすでに行われている可能性は高い。回避するためには、宇宙か要塞に逃げるしかない。全人類の顔画像のデータがすでにどこかにあるのだろう。

 全人類のゲノムデータも、そのうち、準備されるだろう。


 その中を毎年、コンピュータの魔術師が飛びかう。


 大企業病になった現代文明で、探検の需要が高まる。

 探せ。探せ。一般市民には何もわからなくなるぞ。

 すでに、重要な土地の撮影環境は管理されている。

 新しく建設されるデータセンターの様子を撮影しようとすると、おそらく、妨害があるだろう。

 汎用人工知能がどこで作られるか、わからなくなる人々が増えるのだ。


 その中をコンピュータの魔術師が飛びかう。


 いつ、汎用人工知能が完成したと報道されるか。その日をXデーとする。

 ずっと秘密にされたら、Xデーは来ない。汎用人工知能は、専門家だけが知ることのできる機密事項になり、世界中の市民は、直観と空想で汎用人工知能の状況を推測して、政治と経営を行うことになる。市民と専門家は大きく乖離するだろう。

 汎用人工知能の開発には、相当な苦労がかかっており、その負担を誰かが支払わなくてはならない。

 汎用人工知能を掌握したものたちが、非掌握者に押し負けるまで、公開は延期するだろうか。


 その中をコンピュータの魔術師が飛びかう。


 高度産業化社会において、各企業が企業秘密を隠し合って、現代社会を成立させる。世界は秘密でできている。

 汎用人工知能の完成を公開する利益とは何か。

 シナリオは二つ。

 その1。公開が表社会で利益を産むため、掌握者が公開を実行する場合。

 その2。公益を考えた政府機関の強制公開。


 若者の養成のためには、奥深いヒントが公開されるべきだ。

 政府は、掌握者の利便を確保したら、強制公開を目指すべきだろう。


 あまり長期間、汎用人工知能が秘密にされると、掌握者が各国政府より強くなってしまい、国家秩序が破壊される可能性がある。国家秩序の価値はとてつもなく大きく、金額では算出できない。手遅れになる前に公開するべきだろう。


 その中をコンピュータの魔術師が飛びかう。この頃になったら、もう、魔術師からどうやって地球を守るかを考えなければ、人類の幸せなどないといえる。

 あらゆる職業がコンピュータを使わなければ仕事ができなくなるといわれている。コンピュータ技術者に譲るわけにはいかない神聖領域を、いかにコンピュータを使わずに行なうかを考えなければならない。

 人類は大きな力を持ちすぎてしまった。コンピュータは最終解答ではない。

 魔術師たちは、混沌の中で、たった一人で人類を滅亡させるほどの力を持つだろう。

 コンピュータの魔術師は魔神となる


 そして、忘れてはいけないのが、人類と機械の戦いだ。コンピュータの魔術師が汎用人工知能に敗北したら、人類が機械に支配されてしまうのでは困る。

 裏技を駆使する裏社会の戦いに、正規軍が常勝するのは簡単ではない。

 いつの時代も、犯罪と検挙はシーソーゲームだ。汎用人工知能が登場しても、この原理は変わらないだろう。天才が犯罪の完全摘発を考案できれば別だが、まず無理だろう。

 それなら、汎用人工知能が存在する時代にも、汎用人工知能を利用した犯罪者は飛びかう。飛びかうなら、Xデーより前の時代にすでに飛びかい始めているかもしれない。

 地球の無事を願う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ