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母(アリシア)の父は誰?

 「プロポーズが急すぎて驚かせてしまったね。だが、私も急かされているんだよ…。父からね。君が国へ帰ってしまわないように念押しもされているんだ。」


王子さまは、そう言った後、私の知らない母の事を教えてくれた。母は、祖母ウェンディの子だが婚外子で、父親が誰なのか未だ知られていないという事だった。そして、ロバート叔父様は、祖母が公爵家から命令されて婚姻した相手の連れ子で、ロバートの実母は、出産で亡くなっていた。その為、アリシアを婚外子にしないためにも侯爵家がアリシアとロバートを双子がとしたのだ。この事実は、本人達にも直接には知らされていならしい。公爵家と亡くなったウェンディとその父母達だけの秘密であった。


 「王子様は、私の祖母の力を継承した人が必要ということですか?」

 「簡単に言えばそうなるね…。私といより公爵家がね。この国の力が偏れば、パワーバランスが崩れて内乱が起こってもおかしくない。現にそんな状況が生まれつつあるんだ。四大侯爵家の動きが怪しい。僕が瞳の継承がなかったと知られてから…特にね。」


 王子さまは、うつむきながら弁明の様に私に言った。


 「わかりました。とにかく私もお力添えいただいたので。恩を仇で返すなんてできません。とりあえず…。婚約からでも?良いですか?いきなりの結婚は、継母も驚いてしまうし、ちゃんと知らせたいんです。」

 「そう、そうだね。私も父に話すよ。だから、この件を会場に戻って、直接、言いに行かないか?」

 「ええ。その前に…。ダニエルが持ってきてくれた飲み物を飲んでから…。」


 ダニエルは、戻ってきていたが私の返答が出るまで、そっと、木の陰に隠れて待っていてくれていた。


 「ダニエル。ありがとう。」

 「いえ、お嬢様。王子様、飲み物でございます。」

 「ああ。ありがとう。」

 「ところで、君は、いつから侯爵家にいたんだ?ずっと前にあったような気もするんだが…。」


 ダニエルは、少し考えるようなそぶりをしてから、小さすぎて覚えていないとだけ答えた。


 「そうか…。では、ウェンディ様が失踪した時の件の頃は、もういたのかい?」

 「そうですね…。いたというか…。まあ、ついてきた?というか…。」

 「もしかして、君は、誰も知らない、アリシア様の父親を知っているのか?」

 「それは、お答えできかねます。というか…答えられません。答えられないと言った方が正しいでしょうね。」


 その答えに、王子さまは、何かに気づいたようにつぶやいた。


 「ああ。封印されているんだね。」


 ダニエルがコクリと頷き笑った。


 「お嬢様、ウェンデイ様の墓所に立ち寄った際に何か見ませんでしたか?」

 「ええっと。あっ綺麗な鱗がたくさん落ちてた。それが何か?…。」

 「私は、言葉にできませんがお嬢様なら…墓所で色んな発見をすることができます。また、行きましょう。」


 ダニエルの答えに私は、なんとなく見たこともない…おじい様が生きているようなそんな気がした。そして、王子様も同じように思っていたようだった。その後、私は、王子様と共に再度、レリアン公爵と謁見することになるのだった。



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